*******************日刊医療福祉新聞***********************************

日刊医療福祉新聞(I.M.N.)            ・発行人:国本 正雄
                      ・編集人:黒川 憲一
                                                 
   1997年  4月21日(月) 版                      
            
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++++++《目次》++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

※医療ニュース

【一般読者向(一般の皆さんのための)ニュース】
 ■ニュース
  □骨髄移植 日米2バンクが提携!!
  □95年度分医療保険薬剤費の不明金が5300億円!!
 ■情報
  □労働省研究所が営業職男性の労働負担と労働時間の影響を調査
  □埼玉県が母乳による「ダイオキシン」の汚染度調査を実施
 ■話題:高まる末期がん患者対象のホスピス、緩和ケア病棟への関心

【医療関係者(医療を専門とされる方々のための)ニュース】
 ■ニュース
  □95年11月〜96年10月の超高額医療、最高の67件に!!
  □「法律なしでも脳死移植」移植学会が指針を正式発表
 ■情報
  □ウェルニッケ脳症 国の注意後も発生
  □北大でがんを退治する新化合物3種類を開発!!

 ■シリーズ【麻酔なんて怖くない〜麻酔科医が語る患者のための麻酔
       のすべて〜】       
      白崎 修一
      コラムI:自然分娩に勝るものはない 
【週間報告】(12日〜18日)
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++++++《紙面》++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

【一般読者向(一般の皆さんのための)ニュース】

■今日のニュース

 □骨髄移植 日米2バンクが提携!!
   白血病など重い血液病の治療に必要な骨髄の提供者をより広い範
  囲で探そうと、日米両国の骨髄バンクが今月8日、提携業務を開始
  した。日本の骨髄バンクの国際提携は初めてとなり、今後、患者へ
  の骨髄提供の機会が増えることになる。提携を始めたのは、日本の
  公的骨髄バンクを運営する骨髄移植推進財団と全米骨髄バンク。骨
  髄提供のためバンクに登録している人は日本側が約8万人で、米国
  側が約270万人。日本では提供希望者が少ないため、1年間にバ
  ンクに登録する千人ほどの患者のうち3割程度は白血球の型の合う
  提供者がなかなか見つからないのが現状。提携によって相手国から
  提供を受けるのは、日米双方とも10人前後と予測されている。提
  供までの費用は日米とも患者が負担。日本では健康保険が適用され
  るため、約40万円だが、米国では約280万円。同財団では米国
  に提供する場合に受け取る料金を同額にして差額をためておき、日
  本側の患者負担の軽減に役立てる方針。バンクへの問い合わせ先は
  フリーダイヤル(TEL0120−377465)まで。

 □95年度分医療保険薬剤費の不明金が5300億円!!
   1995年度の医療保険の薬剤費7兆6千億円のうち、製薬メー
  カー、薬卸問屋、医療機関3者の収入に含まれない不明金が530
  0億円にも上ることが、厚生省の試算で明らかになった。同省が与
  党医療保険制度改革協議会の要請に応じて初めて推計した。この巨
  額の不明金に対し、同協議会の一部から「医療機関による不正請求」
  との指摘が出ており、現在、抜本改革を先送りし国民に負担増を強
  いるとして批判が出ている医療保険制度改革関連法案の国会審議に
  も影響を与えるものとみられる。薬剤の流通過程は、製薬メーカー
  が卸問屋に売り、卸問屋が病院に販売する。病院は患者に使った薬
  代を健保組合などの保険者に請求し代金を受け取る。その代金総額
  が、95年度の場合、7兆6千億円だった。この内訳をみると、厚
  生省の試算によると(1)製薬メーカーの出荷額(95年度推計5
  兆5千億円)、(2)卸問屋の売上高から薬の仕入れ額を引いたマ
  ージン(同2200億円)、(3)病院が保険者に請求する額と卸
  問屋からの薬の仕入額との差である「薬価差」(同1兆5300億
  円)・・・となっている。しかし、この内訳の総額は7兆7百億円
  にしかならず、総額の7兆6千億円との差額である5300億円の
  性格が不明となっている。

■情報

 □労働省研究所が営業職男性の労働負担と労働時間の影響を調査
   
   労働省の産業医学研究所が営業職の男性について労働負担と労働
  時間の影響を調査したところ、40歳になると心臓機能が急激に落
  ち、50代では長時間労働が血圧にはね返りやすいことが判明した。
  この調査結果は、富山市で開かれた日本産業衛生学会で11日発表
  された。対象となったのは機械製造業の販売会社で働く現役営業マ
  ン74人。指標の一つとしたのが、安静時呼吸不整脈(RSA)。
  血圧が高くなることを防ぐ心臓のブレーキ機能の強弱を示す。労働
  時間については長短の2グループに分けて調べられた。調査結果に
  よると、RSAの平均値が大きく落ちるのは、40歳。短時間群で
  見ても20代で870、30代で664あったRSAは、40代が
  309、50代が212に減っている。長時間群はおおむね短時間
  群より低めだが、年齢による落ち込み方が大きかった。しかし、2
  0〜30代を対象に分析してみると、労働時間も長い人は、そうで
  ない人に比べRSAの数値が約半分だった。

 □埼玉県が母乳による「ダイオキシン」の汚染度調査を実施

   埼玉県は、県内全域で乳幼児の母親を対象に母乳のダイオキシン
  汚染度調査を実施することを決定した。サンプル数を決めた調査と
  なるが、都道府県がこうした母乳調査に乗り出すのは初めてのこと
  となる。県衛生部によると、ダイオキシンは脂肪に蓄積しやすいと
  されることから、検体を採りやすい母乳を、全県から一定の割合で
  抽出調査することにした。環境庁は、食品を通しての摂取は体重1
  キロあたり1日に5ピコ・グラム(1ピコ・グラム=1兆分の1グ
  ラム)までが望ましいとする指針を作っているが、母乳そのものの
  危険値のガイドラインは設定されていない。ダイオキシンは発癌性
  や胎児に奇形を引き起こす性質などがあるとされており、同県は母
  乳の汚染度のデータを集め、影響度を探ることにしている。同県で
  は、県南西部の所沢、狭山、川越市などにまたがる三富地区に産業
  廃棄物の処理施設が集中しており、高濃度のダイオキシンが検出さ
  れており、全県的な汚染が危惧されている。

■話題:高まる末期がん患者対象のホスピス、緩和ケア病棟への関心

   末期がん患者対象のホスピス、緩和ケア病棟への関心が大変高ま
  っています。医療サービスを提供する側からしますと、診療報酬点
  数がアップしてきていることも原因のようです。それはともかくと
  して、全国津々浦々で患者ニーズは限りなくあることは事実であり、
  一刻も早い強力な体制整備を望みたいものです。

   末期がん患者に対して痛みの緩和や精神的ケアを中心に行うホス
  ピス、緩和ケアへの診療報酬は「緩和ケア病棟入院料」としてアケ
  ケー年から点数化が図られました。整備に対する強い社会的要請を
  基盤に、この点数も当初のイオーー点からウーーー点、ウウーー点
  を経て、今年4月からはウカーー点となりました。当初は緩和ケア
  病棟のみを見ると赤字経営だったものが、このような点数配分で黒
  字に転換し始めているところも出てきた、といいます。

   当然、課題も多いと思われます。身近で聞かれるのは、地域で要
  望は強いが、施設基準をクリアすることが難しい上に、教育を受け
  たスタッフが確保できず、開設できないという声です。特に、大き
  な病院の一部に緩和ケア病棟を開設しようとしても基準に合った病
  棟面積の確保が難しいほか、看護単位の問題(要するに十分なスタ
  ッフ数)などで頓挫してしまうことが多いと聞きます。

   患者や市民からは根強いニーズがあることは間違いありません。
  こうした状況も踏まえて厚生省の「緩和ケアの普及に関する研究会」
  が普及を阻む要因などを調べた調査結果を近く公表する予定といい
  ます。全国の関係者らが指摘するであろう、それらの内容に虚心に
  耳を傾け、よりよい方向にさらに踏み出したいものです。

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【医療関係者向(医療を専門とされる方々のための)ニュース】

■今日のニュース

 □95年11月〜96年10月の超高額医療、最高の67件に!!
   サラリーマンやその家族が加入する健康保険組合の全国組織「健
  康保険組合連合会」が12日に発表した高額医療費調査によると、
  1995年11月〜1996年10月の1年間で、健保連からの1
  ヶ月あたりの医療費交付が1千万円を超えた超高額医療は67件に
  達し、前年同期の38件を大きく上回る、過去最高の件数となった。
  月2千万円を超えたケースもはじめて出、医療費の高額化が一段と
  進んでいることが裏付けられる結果となった。1千万円を超えた6
  7件の内訳をみると、心臓・循環器系疾患が35件、がん・白血病
  系疾患が17件、その他の疾患が15件。いずれも手術費用が医療
  費全体の多くの割合を占めている。高額医療費上位百位では50歳
  代が26人、40歳代が21人で、両年代を合わせると半数近くに
  達する。地域別では大阪25件、東京20件など大都市圏に集中し
  ている。医療費が最も高額だったのは「心房ブロック」という心疾
  患の57歳の女性で2097万円。これは、平均的な組合員698
  人分の保険料に相当する。

 □「法律なしでも脳死移植」移植学会が指針を正式発表
   日本移植学会は12日、東京と内で開かれた理事会で、法律なし
  でも脳死段階からの心臓・肝臓の移植を実施するための独自の行動
  指針を最終的に承認、正式発表した。今月下旬から指針を具体化す
  るための作業を開始する。しかし、臓器移植法案の衆院での審議が
  大詰めを迎えているため、学会は当面、臓器提供者(ドナー)が現
  れても移植には踏み切らず、法案成立を最優先に国会の動きを慎重
  に見守る考え。指針は(1)移植実施にあたって学会理事長をリー
  ダーに全国支援体制を組む、(2)法案と同様にドナーの条件を当
  面、本人が提供意思を文面で明示している場合に限る、(3)移植
  実施チームから独立した学会コーディネーターが臓器提供から実施
  までの全過程を指揮する、(4)法律関係者らで構成する臓器移植
  審議委員会の委員がドナーの家族への説明に立ち会い、個別のケー
  スを事後に審査する−などが柱となっている。衆院で法案が成立し
  た場合、今回の指針は新しい移植システムづくりに活用され、今秋
  以降に実施される可能性が出てくる。

■情報

 □ウェルニッケ脳症 国の注意後も発生

   つわりや手術などで食事が取れず、栄養剤の点滴を受けた患者が
  記憶喪失、歩行困難などを起こす「ウェルニッケ脳症」に」なる医
  療事故が、厚生省が繰り返し注意を喚起しているにもかかわらず後
  を絶たない。必要なビタミンB1が同時に投与されなかったことが
  原因とみられている。妊婦のウェルニッケ脳症は79年から昨年ま
  でに50例以上が知られるが、正確な実態は分かっていない。発症
  しているのは、栄養補給のため、高カロリー輸液の点滴を受けた患
  者。厚生省は死亡例などの報告を受け、「医薬品副作用情報」を9
  0年以降、4回出して注意を呼び掛けた。91年には「7人が死亡
  しており、注意が必要」とする「緊急安全性情報」もメーカー側に
  出させている。しかし、その後も発症が続き、訴訟が起きている。
  現場の医師の間には「厚生省が、ビタミン乱用を厳しく諌めたため、
  極力使用を見合わせるようになった」との不満の声もあるが、92
  年にビタミン投与が原則的に保険の適用対象外になったが、食事が
  できない患者への投与は但し書きで、適用対象になっており、これ
  が徹底されていないことが大きな原因となっているとみられる。ま
  た、同様の輸液点滴で、血液が酸性化して意識障害や血圧低下が起
  こる「アシドーシス」になる患者がおり、ここ数年、年間10例ほ
  どの発症報告がある。

 □北大でがんを退治する新化合物3種類を開発!!

   遺伝子の本体であるDNA(デオキシリボ核酸)やRNA(リボ
  核酸)を合成不可能にすることで、がん細胞の増殖を抑える新たな
  化合物の開発に、北海道大学薬学部の松田彰教授らがこのほど成功
  した。核酸合成阻害剤の一種で、動物実験では、ヒトのほとんどの
  固形がんに効くことが分かり、新タイプの抗がん剤になり得ると期
  待されている。成分が似ていることから、いったんはDNAに取り
  込まれながらも、最後はDNAの鎖を断ち切り、合成を阻止するの
  が新化合物の仕組み。金沢大がん研究所の佐々木琢磨教授らが動物
  実験で検証した結果、新化合物のうちでもDMDC、PCNDAC、
  エチニルチジンの3種類が、ヒトの胃がんや肺がんなど固形がんの
  縮小に極めて有効だった。骨髄抑制や下痢などの副作用が既存の抗
  がん剤より弱い上に、錠剤で経口投与できる特長がある。特にPC
  NDACは、ヒトの36種の固形がんのうち、34種でよく効き、
  がんが消滅した例もあった。DMDCは、昨年から欧州で臨床実験
  を開始。PCNDACは今年米国で、エチニルチジンも1〜2年後
  に臨床試験に取り掛かる予定で、がんの治療に大きな期待がかかっ
  ている。

■シリーズ【麻酔なんて怖くない〜麻酔科医が語る患者のための麻酔の
      すべて〜】       
      白崎 修一
      コラム(11):麻酔中のパニック

   手術室内で麻酔科医は、よく野球のキャッチャーやオーケストラ
  の指揮者にたとえられます。周囲を見渡して、なにか問題が起こっ
  た場合には的確に指示を出して対処するという意味合いです。

   たとえば、手術中に患者さんの具合が急に悪くなってきたような
  ときには、外科医に手術を早く終えるよう協力を頼んだり、場合に
  よってはその時点で手術を終了してもらうこともあります。

   手術・麻酔で急に必要となった薬剤や器械をナースに準備しても
  らうときにも、いちばん動きやすい立場のナースを指名して取りに
  急がせます。指令系統が複数ある必要はないからです。

   麻酔をしていて、患者さんの血圧が急に下がったり、呼吸状態が
  不安定になったりしたときには、われわれ麻酔科医とて人間ですか
  ら、こちらの鼓動も速くなり、あせってくることもありますが、ど
  んな状況下でも常に平穏を保って冷静に状況を判断することによっ
  て、事故を回避するようにしています。

   白崎 修一氏
   釧路赤十字病院麻酔科副部長(北海道釧路市)
   著書に「麻酔なんて怖くない」(平成8年1月30日発行)
      「これで痛みが消える〜ペインクリニックの現場から〜」
                 (平成8年9月30日発行)

【週間報告】(12日〜18日)

 ▽高齢求職者の給付制度 来年度にも廃止:15日
   労働省は、高齢求職者給付金制度を早ければ来年度にも廃止する
  方針を固め、岡野労相は14日、首相官邸で開かれた財政構造改革
  会議企画委員会で表明した。

 ▽「医師」の行政処分16人:15日
   犯罪や不正行為を行った医師や歯科医師の行政処分を検討する厚
  生省の医道審議会は、処分対象者となった22人のうち、16人に
  対する免許取り消し、業務停止の行政処分を小泉厚相に答申した。

 ▽厚相が年金支給開始年齢の引き上げを表明:15日
   小泉厚相は14日に開かれた財政構造改革会議の企画委員会の席
  上で、1999年の年金財政再計算の際に、65歳段階移行を実施
  している現在の年金支給について、さらに引き上げる考えを表明。

 ▽民主党が「患者の権利法案」の策定を開始:16日
   民主党は多くの被害者を出した薬害エイズ事件を教訓に、「患者
  の権利法案」の策定を開始した。患者の求めがあれば、カルテなど
  の医療記録を開示するよう医療機関に義務づけることが中心となる
  見通し。

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★「読者交流広場」について!!
 
   創刊当初より、皆様から投稿や当紙に対するご意見などのメールが
  増えております。例えば「こんなコーナーがあれば投稿したい」「国
  の医療規制はなっとらん!」等です。
    そこで、このようなご意見を紙面に反映できるように、編集部では
  「読者交流広場」のコーナーを設けております。会員非会員を問わず、
  投稿のほか、貴重なご意見、提言も随時掲載してまいります。ふるっ
  て投稿して戴きますよう、よろしくお願い申し上げます。
   (電子メールにてインターメディックス宛に送信下さい)

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