2000年3月分の掲示板です

掲示板に戻る

最初のページに戻る


じかん● Thu Mar 30 18:03:15 Japan 2000
おなまえ●じゅんこ
メッセージ● 遼太の父様へ
久々に骨の有る男の生の声を聞きました。
私にも小三の次女がいますが、今の学校教育の中での「道徳」の授業があまりにも蔑ろにされている様に見えます。四書五行が忘れられて久しく、斯く言う私も疎いのですが、父 母の精神には、目には見えない形となって人格の核の部分を担っていた様に思われます。読み書きの形から入ったにしよ、本当の意味で、豊かに誇り高く生きることを身につける教育は、大切にしてほしい。私は、年寄りの子として育ったので少し古臭いかもしれないが、人間の営みや生身の心はさして変わる事なく、すべて古きにもどれというのではなく故事に学ぶ謙虚な姿勢が今大切なのでは。少し前あたりの、政治家はよく中国の諺などを毛筆で達筆に書いてらしたし、さかのぼって
国々の歴史感も独自の物を持っていた様で、今日の政治家とは明らかに違う面構えでした。
石原慎太郎に続く人物をせつに期待するしかないのでしょうか。
自分でもなに書いてるのかわからなくなってきました・・・ムム 今夜は知恵熱がでそうです。


じかん● Thu Mar 30 14:43:13 Japan 2000
おなまえ●遼太の父
メッセージ● じゅんこ様、Masato様

どうもありがとうございます。
さきほど本屋で『坂の上の雲』の文庫本をめくったのですが、

敵艦隊見ユトノ警報ニ接シ,連合艦隊ハ,直チニ出動之ヲ撃滅セントス

を起草したのは、秋山真之本人ではなくて、その部下の参謀の飯田久恒少佐であったと記されていました。その草稿に、秋山が当日の天気予報として机上にあった「天気晴朗なれども波高るべし」という表現を得て、

本日天気晴朗ナレド波高シ

を書き加えたとありました。真之が「天気晴朗ナレド波高シ」を加えた真意は、ほぼ下に記憶で書いたとおりであったようです。

何と言っても決戦の奏上文であり決意文ですからね。そして永久に残るものです。その重責を担った者ならば、諸葛亮孔明の出師表を当然思い起こすことでしょう。その決意文を最後に戦死して帰らないということは十分あるわけで、つまりは艦隊(乗組員全員)の最後の遺言になるわけです。

言霊。

男は、やはり人を感動させる文章を書かなくてはいけない。いったん筆を執り、何ごとか人に言説を吐いてゆくかぎりは、読む人の心のなかに入り、その人の心を揺さぶるような、そんな文章を書かなければいけない。と、そう思っています。文字は単なる記号ではなく、文章は単なる情報ではない。それは常に、自分の心の底からの言葉をふるいおこして脳裏に展開し、観察と洞察を論理に整序して、定義と解釈を形式に構成して、それを人に訴え、共感を求めてゆく、そういう知的営みであると思います。

前にも同じ事を書きましたが、唐代の科挙の試験科目は詩文でした。杜甫や李白の古典文学作品群も、趣味や教養の産物というよりも、むしろ試験勉強の副産物というか、職能訓練の応用であったということができるように思います。現在の日本の国歌公務員上級試験(戦前の高等文官試験)は、主に法律です。法律も大事ですが、ひょっとしたら21世紀の後半にでもなれば、また詩文に戻るんじゃないか、その方が国家のためにむしろ有意味なのではないか、と、そのような幻想を考える事もありますね。

それはともかく、いまの日本で人の心に訴えられる言葉を、演説であれ、文章であれ、吐ける人間があまりに少ないと思いますね。「説得」という行為が、そして反対側からみれば「共感」という作用が、人間世界からどんどん消えていっているj時代だと思います。意味のないことを、手前勝手なことを言いっぱなし、聞きっぱなし。それらが情報として騒音として、人の意識や生活と全く無関係に、無機質的に脈絡なく飛び交っている。それがいまの日本の言語世界の原風景です。

政治家の石原慎太郎くらいではないでしょうかね。心を揺さぶられる言語をわれわれに吐いているのは。
じかん● Thu Mar 30 11:50:44 Japan 2000
おなまえ●masato
メッセージ●
わたしも昨晩のNHKには見入ってしまいました。
番組の最後は日露戦争の勝利がもたらしたと言える、その後の連合艦隊が辿った道そして末路
を説明していました。遼太の父さんがおっしゃるように、決して戦争を肯定するわけでもあり
ませんし、軍国主義を認めるわけでもありませんが、感動せずにはいられませんでした。
この時代の男たちの純粋さは現代を生きるわたしたちを魅了せずにはおきません。

専制国家であったロシアの多くの兵士がこの戦いで日本海に沈んだことも忘れてはならないで
しょう。

じかん● Thu Mar 30 11:43:35 Japan 2000
おなまえ●じゅんこ
メッセージ● ふぅー やっと辿りつきました こんにちわ。2度目のお邪魔虫です。遼太の父様よくぞ言って下さいました。今の日本人のあり方への憤りの部分です。良識や道理、生き方の美学やロマン
を認識し、的確な言霊でのメッセージありがとうございます。比較的、女性の方が問題意識を持っている方が多い様に思われます。男性 特に団塊の世代と呼ばれる年代の方には、ほとほと幻滅
してきましたので、嬉しく思いました。新番組も教えていただいてありがとう。
じかん● Thu Mar 30 10:57:17 Japan 2000
おなまえ●遼太の父
メッセージ● 日本海海戦

昨晩9時15分から、NHKで松平定知アナがキャスターをつとめる新しい歴史番組が始まって、第一回目が「日本海海戦」でした。血が騒ぐと言うか、『坂の上の雲』を思い出して興奮しました。

海戦当日5月27日の早朝、連合艦隊司令部から大本営に送られた第一報、

敵艦隊見ユトノ警報ニ接シ,連合艦隊ハ,直チニ出動之ヲ撃滅セントス
本日天気晴朗ナレド波高シ

この電文は作戦参謀の秋山真之が起草したものでした。

記憶で書きますので間違っているかもしれませんが、この電文について司馬遼太郎が、『坂の上の雲』の中で、掘り下げて、そして感動的に文学的考察を加えていたように思います。

最後の一文、
本日天気晴朗ナレド波高シ
これは、秋山真之の天才的な文学的能力、詩的感性を示すものだと言っていたのではなかったでしょうか。

本当は、当日の対馬海峡一帯は曇り空で、雨も降りそうな悪天候で、晴天ではありませんでした。それをわざと「天気晴朗ナレド波高シ」としたのは、戦いの勝利を祈る気持ちをこめた戦勝祈願の文意であり、そして天気が晴朗で波が高ければ、(艦隊の目視による捕捉が容易であり、また波で艦が揺れて射撃が容易でなくなるという条件によって)特訓を積んで砲撃能力において優れている日本軍の方が必ず勝つだろうという暗示を東京の大本営に伝えたのだと解説していたように思います。

皇国の興廃この一戦にあり、各員奮励努力せよ。

いいですね。戦場のメッセージらしく簡潔な表現ですが、明治の男らしさと言うか潔さを感じます。男の美学と言い切っていいでしょう。本当に事実として明治国家の存亡と民族国家日本の帰趨がこの一戦にかかっていました。戦闘に参加した全員が、そのことをよく認識・理解していました。

東郷司令官以下全員が決死で、自分の今日限りの命と引き換えに、バルチック艦隊を全館撃滅する事だけを目標にして全精力をつくしたわけです。日本の国を守る役目を果たして死のうとしたわけですね。軍国主義の妖しい甘美な魅力には十分注意しなければなりませんが、やはり男として、この胸に強烈に迫ってくるヒロイズムというかロマンチジズムには、もうどうしようも対処のしようがないのです。

日本海海戦に負けていたら、日露戦争は敗北で終わり、明治国家の独立は夢破れ、朝鮮半島はロシア領となり、世界史は大きく変っていたことでしょう。(司馬遼太郎ではありませんが)よくやったと思いますね、明治国家も明治人も。いまの平成日本とは本当になにもかも全部違うう..。私のこの「坂の上の雲」に肌が震えるロマンチシズムの根拠というか実体というのは、戦争の賛美や軍国主義の容認ではなくて、そうではなくて、今の日本や日本人に対する激しい憤りと絶望感なのです。そしてそれは、いま『坂の上の雲』を読む者全員の素朴な感想でもあるでしょう。
じかん● Wed Mar 29 13:51:44 Japan 2000
おなまえ●masato
メッセージ●
管理人です。
じゅんこ様、はじめまして。ネットの世界にようこそ!
10日でこのHPにたどり着いたのはラッキーでしたね。(笑)
大いに永井さんの魅力について語り合いましょう。

じかん● Tue Mar 28 14:16:38 Japan 2000
おなまえ●じゅんこ
メッセージ● ずばり。永井路子の大ファン 彼女の語り口が歴史の世界がこんなにおもしろく、身近に感じさせてくれました。 周りにいないんですよねぇ 嬉しくてつい 書き込んでしまいました。ネットを入れて10日・・・いれてよかった!
じかん● Tue Mar 28 13:28:32 Japan 2000
おなまえ●遼太の父
メッセージ● 網野善彦 『歴史としての戦後史学』

下に「女性の自立」問題に関連して、戦後の日本歴史学について(若干こみいったことを)書きましたが、タイミングよく、日本エディタースクールから網野善彦の『歴史としての戦後史学』が出版されて店頭に並んでいます。

網野善彦といえば、今や押しも押されぬ日本歴史学の第一人者ですね。岩波新書『日本社会の歴史』三巻は(本来学問的には概説書というよりも問題提起の書なのでしょうが)今や、日本史の決定版・スタンダードの風格さえ漂わせています。

戦後の日本史学がどういう政治的な流れでここまできたのか、それぞれの歴史学者の立場はどうであったのか、回顧録的によく書かれています。巻末のインタビュ−のところで「(マルクス主義歴史学の立場からは決定的に離れたけれど)今でも最も尊敬する西欧の学者はマルクスである」と言っていますね。

ご一読をおすすめします。
じかん● Tue Mar 28 9:49:56 Japan 2000
おなまえ●遼太の父
メッセージ● ちおり様

子どもには自分の持てなかった能力や資質を持ってもらいたいと、誕生した初めの頃は思っていましたが、一年二年とつきあっているうちに、結局、子どもの成長や発達というのは親が限界を作っていくんだなと思うようになってきました。

子どもは親を見て育ちますね。親の関心のある対象に自分も興味を持とうとします。関心を合わせてきます。対象世界についての親の知識の深さの程度に応じて、子どもの周囲の世界の認識の枠組というか型ができあがってきます。私がレオナルド・ダ・ヴィンチだったら彼も幸せだったろうにと思います。

本当は、たとえば毛利さんのスペースシャトルの番組を一緒に見て、宇宙飛行士になる夢を育んでやらなければいけないかなとも思うわけですが、残念ながら、親自身のその方面への関心が弱いために、彼には宇宙飛行士になる将来はまず無くなってしまったわけです。申し訳なく思っています。

彼は、去年「忠臣蔵」の漫画本を熱心に読んでいましたが、繰り返し読むうちに、漫画のコマの登場人物の台詞を全部暗記していました。子どもの能力とはおそろしいものです(大江健三郎の母親が図書館から健三郎が借りて読んだ本を全部暗記させた逸話は有名ですが)。ともかく、そういうわけで彼も歴史が好きになったようです。彼の10代において、歴史は間違いなく得意科目の一つになるでしょう。

まあこの名前で歴史が不得意だったら格好がつかないわけですが(笑)。
じかん● Mon Mar 27 21:21:37 Japan 2000
おなまえ●紫織
メッセージ● masato様。レスありがとうございます。
 やっぱり、岩下志麻のお江は違いますよね!しかも秀忠は最初っから西田敏行だし
しかもその年齢が二十歳だって言うし、NHKも無茶するなぁってかんじです。
 まあ大河ドラマには少々の無茶はつきものでしょうが…。
 今、ちょっと不思議な信長ものを書いています。あんまりいろいろ書くとネタバレ
してしまいそうなのでここらへんで作品については了と致します。
 お江は区分すれば江戸の人間ということになりますが、私は戦国時代が日本史の中
で一番好きな時代ですね。
 好きな戦国武将といえば結構ベターなところですけどやっぱり信長ですね!
じかん● Mon Mar 27 17:10:39 Japan 2000
おなまえ●ちおり
メッセージ● はじめまして、masatoさん! ちおりといいます。

友人に永井路子さんの「炎環」を勧めようと思ったけど、漢字をど忘れしてしまい、
ネットに載ってないかなぁと検索して、このページに出会いました。(^-^)
素敵なページですね! 私も永井路子さんは大好きです! 高校時代に初めて読んだのが
確か「炎環」、それ以来、時代の隙間を埋めるように、色んな本を読みました。
大学に入ってから何となく読まなくなったのですが、先日久々に買った永井路子さんの
「王朝序曲」を読み歴史小説ってやっぱりいいなぁ……とまた読み始めています。普段は
普通の現代小説ばっかり読んでいるんですが、歴史小説ってやっぱり素敵ですよね。
私が歴私小説を読んでいて一番いいなぁって思うのは、例えば織田信長が本能寺の変で
殺されてしまう時「ああ、そんな所に行っちゃダメだよ。殺されちゃうよ」と本を読み
ながら、どんなに強く思っても何度読み返しても、歴史は変わらないところ。切なくて
悲しくて、でも、歴史ってのは絶対に溯る事は出来ないんだってつくづく思います。
変な事を書いてしまいました。(^^;)

遼太クンのお父さまが「おしん」の事を書いていらっしゃいますね。私も「おしん」
大好きです。テレビで総集編やると知って、見ようと思っていたんですが、気が付いたら
終わっていました。残念。
ところで、「おしん」のシナリオ本が出ているって知っていますか? 私は、全4巻持って
いて、たまに読み返します。映像で見るのもいいけど、本で読むのもいいですよ。特に人に
勧める時に、テレビと違って貸してあげられるってのがいいんですね。
それにしても、遼太クンは幸せですね! 今はお父様の言葉の意味、良く分からなくても、
きっと教えてもらった話は彼の中のどこかに残りますよね。

GHH06472@nifty.ne.jp
http://homepage1.nifty.com/nekobata/
じかん● Mon Mar 27 12:44:40 Japan 2000
おなまえ●masato
メッセージ●
紫織さま、はじめまして。管理人です。
「乱紋」が一番好きなんですか。お江は永井作品に出てくる女性の中では
ちょっと異色な描き方ですよね。この前にも書き込みましたけど、岩下
志麻はちょっとう〜んです。これは永井ファンの勝手な言い分です!

波乱の人生というとお市や淀殿は有名ですけど、一般にはお江はマイナ
ーかもしれません。でも、浅井長政の子として生まれ二度の落城、そし
て秀吉の言うがまま三度の(四度?)結婚、そして徳川秀忠の正室、家
光、千姫の母となり、姉淀殿、娘婿秀頼が滅びた大坂の陣とすごい波乱
の人生ですね。この中をどんなふうに彼女が生きたのか? 永井さんな
りの解釈が「乱紋」なんでしょうが、ほんとはどんな女性だったんでしょ
うね。

紫織さんは作家を目指してるんですか。もちろん歴史小説?
わたしには文才なんかぜんぜんないので、うらやましい。
ここからリンクのある歴史・時代小説の部屋には行ってみましたか?
ここは自作の歴史小説を公開しているスペースですよ。

じかん● Sat Mar 25 23:41:15 Japan 2000
おなまえ●紫織
メッセージ●  私と永井路子先生
 初めまして、私は中学入学と同時に永井路子先生の本を読み始め、はや8年になります。
私の周りにはあまり本好きがいない上、歴史好きもいないという辛い状況で、このHPを
発見して改めて永井先生のファンの多さに驚かされました。
 私が一番好きな永井作品は何と言っても『乱紋』です。
 あれで私はお江の事が好きになりました。が、葵〜徳川三代〜の岩下志摩演ずるお江は
ちょっと激しすぎて、私のイメージと少し違っていますが、まあ、それもそれとして楽し
んでいます。
 作家を目指している私にとって、永井先生はお師匠様のようなものです。
じかん● Fri Mar 24 13:30:39 Japan 2000
おなまえ●遼太の父
メッセージ● おしん (3)

昨晩は、小学三年生のわが子(名前は皆様よくご存知の)に、ドラマを見ながら、戦前の地主小作制について教えました。どこまで理解してくれたかは不明ですが、名作を届けてくれた橋田須賀子の努力に報いるためにも、ここは一生懸命頑張って、子どもに歴史を教えなければなりません。

最初に私が彼に訊いたのは、

ねえ、どうしておしんは家を出て他人のお家に奉公に出なければならなかったのか、わかる ?

という質問からでした。彼は首をかしげて、

う−ん、わからない。

と答えました。おしんの家の貧しさや貧乏のためにひどい苦労を強いられたり、苛められたりする場面は、悲しみと同情をもって見入っているのですが、彼女がどうして家を出なければならなかったのか、その理由や経緯は明確にのみこめていないのです。

一家で食べるご飯が足りなかったから、ご飯を食べる人間を家の中から一人減らそうとしんだよね、あのお父さんが。わかるかな。お家にね、みんながお腹いっぱいに食べられるほどのお米が無いわけ。それだけ貧しいんだよね。お家に全部で七人いて、ご飯をお茶碗に入れると四人とか五人分しかないわけ。一人でも人間の口が減れば、家の他の人はその分食べられるご飯が増えるでしょ。だから口減らしのために奉公に出されたんだよ。

あのお父さんは、おしんを奉公に出して、そのかわりに奉公先の家から米を一俵もらったんだよね。家に食べるお米が無かったから、お米を一俵もらうためにおしんを奉公に出したんだよ。

彼が、私は話した事実と論理をどこまで正確にトラックしてくれたかは分かりませんが、父親がこれだけ熱を入れてお説教をすれば、子どもも真剣に耳を傾けてくれるものではあります。

そしてそこから、おしんの家はお百姓なのに、朝から晩まで家族で野良で働いているのに、どうして食べるお米が無いのか、なぜ収穫したお米の半分を地主に取られなければならないのか、いわゆる日本の戦前の地主小作制を延々語って聞かせました。

彼が歴史をどこまで論理的に理解できたかはわかりませんが、少なくとも、食事の食べのこしをしてはいけないとか、親にわがままを言ってはいけないとか、そういう倫理的な問題については、より深く彼の内面に入ったように見えます。橋田寿賀子に感謝しつつ、長い話を終えました。

今晩は最終回、戦争があります。橋田寿賀子が戦争をどう描くのか、そして田中裕子のおしんはどうなるのか。楽しみです。
じかん● Fri Mar 24 12:28:09 Japan 2000
おなまえ●白圭
メッセージ● 実は私はパソコンを持っていません。この書き込みは図書館のパソコンからです。毎日見ることもできず、たまにきて1時間ほど利用するだけなので『永井路子の幕末もの』から結構話が発展していて面白かったです。
−−『女の股を覗いた政治』−− 問題の多い言葉でしょうが、私はその言葉をいつも頭に置いて歴史小説や時代小説を読んでいます。そして明治維新にはそれが通用しなかった。それは正しいことだと思っています。でも『血の歴史』って面白いなぁ と思っています。
確かに江戸時代の女性の話って少ないですよね。人情話か捕り物帖になってしまいます。それはそれで結構好きなんですが。テレビの時代劇もすきです。
ちなみに おしん も 渡る世間は鬼ばかり も私は好きです。
『よぞらさん』に私のお薦めの作品を一つ 平岩弓枝の千姫様 いろいろな小説や逸話のある千姫ですが、この千姫はとても賢く可愛く強く私は好きです。


じかん● Thu Mar 23 9:29:42 Japan 2000
おなまえ●遼太の父
メッセージ● おしん (2)

第2回の昨夜は、おしんが成長して娘になり、主役も小林綾子から田中裕子に変っていた。15年前の田中裕子。若くて可愛い。演技派という印象ばかりが強いけれど、こうやって昔の姿を見ると決してそれだけではない。

橋田寿賀子も、最近なにかスキャンダルを起こして評判を落としたような話を聞きましたが、作品としての『おしん』は名作ですね。子どもと一緒にドラマを見れば、何よりの歴史の教育ができ、そして倫理の教育ができます。食べものや着るものに不自由しない今の子どもでも、あれを見れば、昔の日本の社会の激しい貧富の差(と言うよりも階級的身分的格差)や、貧しい人間の生きる苦しさがよく理解できます。だから『おしん』は初等教育用の最高の教育素材であると言えるでしょう。

昨晩は、渡瀬恒彦の安田洪太が、おしんに地主小作制の矛盾を必死で説教していたシ−ンが印象的でした。橋田寿賀子の歴史的社会的インテリジェンスが反映されていましたね。

小作は地主から土地を借りて耕作し、収穫の半分を年貢として地主に渡す。戦前の日本の就労人口の8割は農民であって、その農民の5割以上が小作農でありました。地主は小作から収奪した年貢米を金に替え、その半額を国家に金納する。明治国家はその金で軍艦を買い、半島と大陸に軍事侵出し、そして全国津々浦々に小学校を建て、教員に給料を払って近代国家を建設していたわけです。

11:30からのフェリスの三田村先生の「源氏」を見たけれど、先生がすっかり太っておばさんになってしまっていて悲しくなった。昔はもっとキリッとして、知性のなかに妖艶さと可憐さを感じさせてくれていたのに。今や見る影もない。指輪ギラギラもいただけない。
じかん● Thu Mar 23 2:04:51 Japan 2000
おなまえ●おたか
メッセージ● いいわけのいいわけ(必死!)
>なななっ(狼狽)、それは誤解です。ご・か・い!(必死)
>というのは冗談ですが、確かに内容を誤解させる題名ではあります。
↑えええっ(狼狽)、秦太さま、わたくしそんな、妙な解釈されるとは思ってもみませんでした!(必死)
なんと申しましょうか、タイトルから察するに主人公は元気な女の子なのかな?
という意味で申したまでで・・・。いや、確かに「色判官絶句」は一見妖しげなタイトルだけど、
「後宮小説」はファンタジーで銀河という名の女の子が主人公ってのは知ってました。
あーもー、つまり、元気で明るく前向きなストーリーが好みなのかな?と思ったまでです!
んっ、しかし、確かに「色判官絶句」のどこが元気で前向きなタイトルなんだろ??
なんで私はその時そんな風に思ったのか・・・、自分でもよくわからない・・・
自問自答してみて、改めて秦太さまが誤解された訳がわかったような・・・
紛らわしい書き方で混乱させてしまったみたいですね。すみませんでした。

更紗さま、笑わないでくださいよぉぉ!!
「十二国記」の熱狂的なファンがこんなところにもいただなんて、あ〜、恐ろしい〜
作者のご主人??どなたなんでしょう?(無知丸出し)
じかん● Wed Mar 22 23:53:07 Japan 2000
おなまえ●更紗
メッセージ● きゃあ・・・。
手がすべって変なところで書き込んでしまいました。
ここのHPの趣旨とずれることばかりですみません・・と書きたかったのです〜

失礼しました
じかん● Wed Mar 22 23:50:18 Japan 2000
おなまえ●更紗
メッセージ● 「後宮小説」・・・
くすくす笑ってしまいました。確かに誤解されやすいかもしれませんね。
でも、おたかさま、あの作品は「ファンタジー」だったはずです。
何かの賞を受賞した(その賞の第1回目の)もので、当時絶賛されました。
史実かとだまされてしまうほどだと選考委員が評しているのを覚えています。
私も読みました。思い出してきたなあ、確か主人公は「銀河」という女の子でしたよね?

「十二国記」は友人が熱狂的なファンです。
私は作者のご主人の作品はいくつか読んでますが、彼女の作品は読んだことがないのですが、
これもファンタジーだそうです。
・・・ここのHPのしゅす

じかん● Wed Mar 22 9:30:25 Japan 2000
おなまえ●遼太の父
メッセージ● おしんと女性の自立

女性の自立の問題と近代のことを考えていたら、タイミングよくNHKの総合放送で『おしん』の特集編の再放送をやっていた。何度見ても、見るたびに心を揺さぶられて胸が熱くなる。子役の小林綾子の演技が素晴らしいこともある。

もう15年くらいになるのだろうか。日本での放送のあとタイで放送されて、タイ女性の紅涙を絞って大ブームになったという話を聞いたことがあった。

女性の自立というのは、きっとああいうことなのではないのだろうか。おしんの自立への闘いは、すなわち近代的な知識の獲得と知的人格の確立という目標へと定義され、そこに向って自分を方向づけ、我慢を重ねて能力を獲得してゆくことになる。

そしてそれを支援する人間がたくさん出てくる。

子守をしながらでもいいからと教室に招いた小学校教師は、まさしく明治国家の近代教育の論理を体現して示している。女であれ、貧しい者であれ、同じ国民であるかぎり、教育は平等に受けさせなければならない。それが近代国家の根本理念である。

女性の自立という問題は、今では本当に考えにくい、イメ−ジしにくい、どうでもいい問題のように見える。私たちの日常は、平成の日本の若い女たちの日常世界は、その問題をリアルに想像したり検討したりするにはあまりに遠いところまで来てしまっている。

けれども、あの山形の寒村の貧農一家のおしんの父親や母親の行動や言動に接すれば、「女性の自立」以前の日本の現実がどのようなものであったのかがよく了解できるように思われる。それはついこの間のことだったのである。

米一俵のために七歳の娘が一年間下女の身分で子守奉公に出なければならず、小作農というのはそれだけ貧しく、そして家父長は一家の口減らしのために平気で娘を下女に出した。母親である女は、それを制止することができず、家父長に従う以外になく、自らも耐え、娘にも耐えることを教える以外に生き方がなかった。

与謝野晶子の『君死に給ふ事なかれ』が出たのが印象的だった。晶子は近代日本を代表する素敵な女だ。今晩も子どもと一緒に『おしん』を見よう。そしてそのあと、三田村先生の「源氏」の講義を聴こう。
じかん● Wed Mar 22 2:24:14 Japan 2000
おなまえ●秦太
メッセージ● あわてていいわけ
>『色判官絶句』といい『後宮小説』といい、 そこはかとなく秦太さまの好みが偲ばれますねー。
なななっ(狼狽)、それは誤解です。ご・か・い!(必死)
というのは冗談ですが、確かに内容を誤解させる題名ではあります。
まぁ、作者が露悪的ジョークで名付けたフシのある『色判官絶句』とは異なり、
『後宮小説』は文字通り後宮の小説なんですが、「後宮」という言葉の印象からはかけ離れた作品なんです。

だいたい中国物はヘタに漢字で意味が通るために日本語とニュアンスがずれる場合が多々あります。
古典の『国語』は歴史書で、『大学』『小学』は思想書。
記録文学『東京夢華録』の「東京(とうけい)」は北宋の首都開封のこと。
陳舜臣さんの名短編集『中国任侠伝』も題名で敬遠される事があるとかないとか。

どうも往復書簡のようになってしまって恐縮です。
『後宮小説』は有名な作品だから、どなたかフォローしておたかさんの誤解を解いて下さると助かるのですが(笑)。
じかん● Tue Mar 21 16:52:39 Japan 2000
おなまえ●遼太の父
メッセージ● 脈絡のない話を無遠慮に書き連ねて申し訳ありませんが、家父長制の話と江戸期の歴史認識について少し補足をさせていただきます(補足にはならず混乱のみという感じもしますが)。

私の高等学校の日本史の教科書は、あの東京教育大学(現在の筑波大学)の家永三郎氏著のものでした。教科書裁判で有名な家永先生です。私の高校は一応(二流の)進学校で売っていた学校でしたが、何故か、教科書は家永三郎著の三省堂版を使っていました。

その家永先生の日本史教科書の記述の中で、(25年後の)今でもよく覚えているのですが、江戸時代について書いてある部分で、日本史上、女性が最も低い地位に貶められたのが江戸時代であったという記述があったと思います。

(前にも何度か書きましたが)戦後の日本史学、すなわち戦前の皇国史観の歴史認識を一掃した
後にそれにかわって歴史認識を司った戦後の歴史学の基調は、基本的にマルクス的な方法をベ−スにしたものでした。その歴史認識では、江戸時代は、士農工商の身分制が厳然と固定した暗黒の封建アンシャンレジ−ムであり、階級差別と同時に男女差別も徹底されていた時代であったという説明であったと思います。

それともうひとつ。昔、社会科学を齧った人なら少し覚えがあるかも知れませんが、エンゲルスの『家族・私有財産および国家の起源』という本がありまして、そこでいわゆる「母系制」と「家父長制」の歴史的角逐の話が出てきます。

そこでの議論を簡単に言うと、原始から古代への歴史的移行は、すなわち無階級社会から階級社会への転換史であるけれども、その中身は、子供の血統を母親から辿る母系制から父系制に変え、私有財産を父系子孫に継承させてゆく家父長制への移行のプロセスであったという、そういうお話でありました。

母権制から父権制に移行することによって、「原始、女性は太陽であった」(平塚らいてう)女性の地位は地に叩き堕とされて、どんどん低い位置に追いやられてゆくという説明です。古代においてはまだ母系制の名残りで少しましだったのが(紫式部とか)、中世から近世へと移行するに連れてどんどん悪くなってゆく、その窮極が徳川時代である。そういう一般セオリーだったと思います。

マルクス的な理論がすっかり人気がなくなり、影が薄くなった今日、「江戸時代の女性の地位は決して低くなかった」という議論が盛り上がってきて、説得力を持つようになりました。江戸時代は暗黒の時代ではなくて、逆に日本史における薔薇色の時代だったという歴史認識に基調が変わりつつあります。

わが司馬遼太郎も、実は(マルクス全盛の60年代の頃に)そう言い出した一人でありました。昨年の西尾幹二の『国民の歴史』の江戸時代論もまた、基本的にその延長線上にあります。戦後も遠くなりにけりという感じがしますね。
じかん● Tue Mar 21 11:15:11 Japan 2000
おなまえ●遼太の父
メッセージ● 女性の自立について

>江戸時代の女性でさえ 建前の道徳と実態との差が
>あって、女性の自立(経済的な面も含めて)の芽生
>えがかなり あったそうです。ところが明治に入る
>と建前の道徳の部分のみが強調され押し付けられ、

確かにそういう面はあるでしょう。

ただ、この点に関して、ちょっと別の角度から思ったことなのですが、江戸時代というあの長い長い時代に、歴史に登場する女性の名前が本当に少ないということです。これは(私にとっては)非常に不思議な問題です。誰がいますかね..。春日局の後は、はて、いきなり皇女和宮でしょうか。その間に誰かいましたっけ...。

俳句のような近世文学の領域にもいませんね。浄瑠璃や浮世絵のような近世芸術の世界にも出ない。朱子学や陽明学などの学問の世界には全く見当たらない。一人ぐらいいたっていいと思うんですが、いない。どうしてなんでしょう。

私は、この問題は、江戸時代すなわち幕藩体制というものの本質に関わる重要な問題ではないかと考えています。

明治時代に入りますと、たくさん出てきますよね。樋口一葉、津田梅子、与謝野晶子。近代日本の歴史を創生した偉大な女性たちがたくさん出てきて、文学や芸術や医療や、さらに政治の世界でも活躍をはじめます。従来は男だけの世界であったところに女が果敢に飛び込んでゆきます。

明治維新の革命たる由縁、そして明治以降を近代と呼ぶ由縁は、まさにこういうところにこそあると言えるのではないでしょうか。明治維新は、徳川封建制の旧弊を打破して、近代国家を建設し、欧米の先進諸国に追いつき追い越すことが目標でした。

旧弊を打破して先進国に追いつくという社会目標や社会構想の中に、その重要な思想的要件としてフランス革命以来の近代的な女性観、すなわち女性の社会的進出の積極的評価や男女平等の思想があったはずです。これはとてもベ−シックな問題でありますが、簡単に見過すことはできないのではないでしょうか。

女性の自立をどう見るかという問題は、歴史だけでなく現代でもとても難しい問題だと思います。建前と実態が分離して事実上の「自立」状態が看取められたからといって、果たしてそれを
本当の自立と呼べるのか。私の個人的な意見は、やはり事実上の自立でとどまることなく、形式上の自立(=法的権利、社会的既得権)を獲得するために、差別的境遇にある女性が立ち上がって戦い、勝利するという契機や構図が重要であると思います。

それからまた、獲得した権利を形骸化させないために、権利の実質化のために、不断に戦い続けるということも重要だと思いますね。江戸時代には残念ながらそういう女性の自立の思想の発生なり政治的端緒というものがありません。
じかん● Mon Mar 20 4:03:17 Japan 2000
おなまえ●おたか
メッセージ● 秦太さま
こちらこそ早速のご回答、痛み入ります。
>『色判官絶句』・・・井原西鶴の好色物みたいな題名ですが、
タイトルの魔力にしっかり騙されてしまいました。よかった、妙なこと書かなくて・・・。

>愚考いたしますに、それは小野不由美さんの『十二国記』のことと思われます。
おぉぉー!そうでしたそうでした、『十二国記』でした!
これこそきちんと自分で調べろよって感じですね、ははっ。
これって一部熱狂的な読者がいませんか?
一度どんな感じか覗いてみたいんですけど、あまり本屋で見かけたことがないんです。
よって作者名も不明だったもので、なんだかすっきり致しました。有り難うございます。
愚考いたしますに、『色判官絶句』といい『後宮小説』といい、
そこはかとなく秦太さまの好みが偲ばれますねー。(って、どちらの小説も未読だけど・・・)
じかん● Sun Mar 19 22:53:24 Japan 2000
おなまえ●秦太
メッセージ● おたか様
毎度レスをいただきありがとうございます。
>「色判官絶句」ってどんな話なんでしょ??
井上祐美子さんもそうですが、藤水名子さんの中国史小説には歴史小説系と時代小説系があります。
前者の代表作が『赤壁の宴』だとしたら、『色判官絶句』は後者の代表といえるでしょう。
『色判官絶句』・・・井原西鶴の好色物みたいな題名ですが、さにあらず。
明代の港町寧波(ニンポー)を舞台にした、香港活劇映画的娯楽時代小説です。
とにかく、ヒロイン「火竜娘」こと高悠環の炸裂するようなキップの良さが鮮やかです。

>井上祐美子さんもよく本屋で見かけるんですけど、あれ?
>「十六国記」(だったかなぁ?)って彼女の作品でしたっけ??
愚考いたしますに、それは小野不由美さんの『十二国記』のことと思われます。
春秋戦国時代のような、架空の世界を舞台にした歴史小説です。
井上さんにも春秋戦国的時代を創作した架空史小説『五王戦国志』があります。
知ったようなことを書きましたが、私はどちらも未読であります。
中国風の架空歴史小説といえば、酒見賢一『後宮小説』という傑作がありますね。
この作品の主人公銀河も、天真爛漫でとても魅力的なヒロインでした。
じかん● Sun Mar 19 2:15:50 Japan 2000
おなまえ●おたか
メッセージ● お久しぶりです。
>永井さんは幕末が嫌い?という話題で、
これは永井さんご本人がはっきりと書いておられますね。
私もある方からその部分だけを頂いたもので、どの雑誌に載っていたのか分からないのですが、
そこに「明治維新は女性にとって何であったのか」という史論を載せておられます。
ここで細かく書くことは長くなってしまうので無理ですが、江戸時代の女性でさえ
建前の道徳と実態との差があって、女性の自立(経済的な面も含めて)の芽生えがかなり
あったそうです。ところが明治に入ると建前の道徳の部分のみが強調され押し付けられ、
「北条政子などは権力欲の強い悪女と規定されてしまった」
「伊藤や山県の個人生活を見ても女性を人間としての連帯感を持って接していたとはいいかねる」
と、まぁ、かなりお怒りになられておられます!新撰組もバッシングしておられますよぉ。

藤水名子さんの名が出てきて感動しております!「赤壁の宴」が個人的にお気に入りっす。
秦太さま、「色判官絶句」ってどんな話なんでしょ??
井上祐美子さんもよく本屋で見かけるんですけど、あれ?「十六国記」(だったかなぁ?)って彼女の作品でしたっけ??

じかん● Sat Mar 18 21:19:38 Japan 2000
おなまえ●秦太
メッセージ● お久しぶりです。
永井さんはじめ女性作家、女性主人公の歴史小説が話題になってますね。
日本史はおまかせするとして、私がはまっている中国歴史小説からご紹介したいと思います。

実はこの分野、若い女性作家が続々と登場して、個性豊かに活躍されています。
どちらかというと時代小説寄りの、フィクション性の高い作品が目立ちます。
『長安牡丹花異聞』の森福都、『色判官絶句』の藤水名子などもお薦めですが、
なんと言っても私の一押しは井上祐美子さんです。
初唐の長安を舞台に半神半人の二郎真君が活躍する『長安異神伝』、
古典小説『三侠五義』『桃花源記』に想を得た『桃花源奇譚』などの武侠小説系の作品と、
梟雄呉三桂とその愛妾陳円円の物語『紅顔』、
東晋の貴族の家に生まれ、書聖王義之の息子に嫁いだ才女の一代記『柳絮』、
落日の明王朝を支えて反乱軍と戦い続けた秦良玉を描く、その名も『女将軍伝』
といった正統派の歴史小説があります。
永井さんの愛読者の方なら、『柳絮』などお気にめすかと思います。
井上さんは、歴史知識とエンターテイメント性を高い水準で兼ね備えておられるので、
今後にとても期待している歴史作家の一人です。

余談ですが、来年の大河ドラマの脚本を手がけるのは、よく似たお名前の井上由美子女史です。
じかん● Sat Mar 18 15:25:57 Japan 2000
おなまえ●更紗
メッセージ● 「葵」のオープニングですが
私は音楽も好きですが、映像も好きです!日本の四季ってこんなに美しい!と見るたび思っています。

永井さんは幕末が嫌い?という話題で、関係ないかもしれませんがちょっと思い出したことが
あるのですが、彼女は「昭和世代」とか「大正世代」といういい方が嫌いだそうです。
どの本だったか忘れましたけど、解説の方がそう書いていました。(誰か教えてくださーい)
天皇の在位で時代を表現するのはいかがなものか?というようなご意見だそうです。
あ・やさんのおっしゃるように幕末から終戦までの天皇制というものに疑問をお持ちなので
しょうか?

じかん● Sat Mar 18 14:41:37 Japan 2000
おなまえ●きょみち
メッセージ● はじめまして。
司馬遼太郎さんを検索して来ちゃいました。
どっぷり司馬さんにはまってます。もちろん、永井さんも好きです。
また、お邪魔させてくださいね。



じかん● Sat Mar 18 0:02:57 Japan 2000
おなまえ●平蔵
メッセージ● はじめまして!久しぶりにインターネットしましたー。
私は最近『鬼平犯科帳』にハマッテます。う〜ん、鬼平は渋いですなー。
あーゆー大人になりたいものです。
そうそう、司馬遼太郎も大好きでほとんど読みましたよ。
ではでは☆
じかん● Fri Mar 17 21:58:04 Japan 2000
おなまえ●よぞら
メッセージ●  私も永井さんの作品が好きです。つよい女がすきなんですよねわたし。今は戦国時代が好きなので、誰か永井さんの作品以外で(永井さんの作品はみんな読んでしまったので)女が主人公のやつ教えてください。
じかん● Fri Mar 17 18:11:27 Japan 2000
おなまえ●あ・や
メッセージ● 永井路子さんの幕末もの
と、いかにもありそうに書きましたが、ありませんねぇ、幕末ものは。
管理人さまの永井路子さんの作品紹介になかったのですが(あったらごめんなさい)、
「からくり紅花」という短編集がありまして、その中の一つに「竜華寺みち」という作品があります。
この作品は語り手を現代人としているのですが、
幕末の革命家と関係のあった女性の足跡を訪ねて竜華寺へ・・・・・・、という内容です。
ちょっとだけ幕末もの、ということでどうでしょう。
この短編集は、江戸から幕末、明治を背景にしたミステリー時代小説7編です。
ところで、永井路子さんはあまり幕末はお好きではないように思われますがいかがでしょう?
「にっぽん亭主五十人史」の最後の章で、維新の志士を亭主失格として女性の目での評価はしていませんよね。
新撰組も、管理人さまのいうとおり、あまり良くは書いていません。
女性からの視点では、明治から終戦までは案外江戸時代よりつらい時代だったと思うのですが、
それが維新の志士の生き残りのせいだと思うと、幕末は、私は好きにはなれません。
過日TVを見ていたら、十代の若者には「新撰組が好き」というのが意外に多かったので驚きました。
マンガとか、小説とか、映画とか、「新撰組」は格好良く描かれているからでしょうか。
実際のところ、「新撰組」は歴史的な評価としてはどのような存在なのでしょう。
ちなみに「近藤勇終焉の地」は、隣の市にあって何度かそばも通ったこともありますが(看板がでてるのです)、
私は行ったことがないのです。一見の価値はあるのかな?
じかん● Fri Mar 17 16:28:36 Japan 2000
おなまえ●箱の中身
メッセージ● お久しぶりです。なんだか「葵」議論が、白熱してますね。見てないのでなんとも言えませんが、オープニングの音楽は好きですよ。実は、そこだけ聞いている、不届きものなんです。「遼太の父」さんがいうように豊臣家滅亡のあとのドラマの展開は、ヨシノブ的跡継ぎ問題の話になっていくんでしょうかねぇ。話は変わるんですけど、誰か、NHK大河ドラマ「慶喜」を好きだったというかたいませんか。あれは私の地元ネタだったので、ちょっとした思い入れがあるんです。水戸の弘道館の近くの予備校に当時通ってまして、最後のロケは、講義サボって見に行きました。・・・時間がないので、この辺で失礼しますね。では。


じかん● Fri Mar 17 15:00:22 Japan 2000
おなまえ●masato
メッセージ●
白圭さま。
永井路子さんの全集持ってるんですか。いいな、いいなあ!
う〜ん、やっぱりここにはヘビーな永井路子ファンがいますよね。

永井路子さんが幕末ものを書くとなると誰を主人公にするでしょうね。
永井さんは新撰組のことはけちょんけちょんに書いてますから、永井さんが幕末を書くと
敵を作ってしまうかも。それで幕末を描かなかったわけではないでしょうけど。


じかん● Fri Mar 17 12:11:55 Japan 2000
おなまえ●白圭
メッセージ● お返事ありがとうございます。好きな作品は「美貌の女帝」「北条政子」「流星」「乱紋」など長編がどちらかと言うとすきですね。文庫で読んでいて、手元に残っていないものが多いので全集を少しづつ買い、やっとそろいました。ふふふ。宝物です。
きっかけとなった作品はなんだったんだろうと考えたのですが,思い出しません。すみません。
永井さんには幕末ものを書いてほしいなぁーなんて思っています。幕末ものは司馬作品が好きですが、女性の目からの幕末を読んでみたいです。宮尾登美子の「天障院篤姫」のような。
大河ドラマ「葵」私はなんかいまいちだなぁーと思っているのですが…。ジェームス三木さんの脚本では以前の「吉宗」のほうが好きです。
じかん● Thu Mar 16 19:08:37 Japan 2000
おなまえ●更紗
メッセージ● あこさま
大河ドラマが再放送されないのはなぜ?という疑問、私もずーっともっていました。
「草燃える」が見たいのです〜。永井さんの原作ですから!
ホントかウソか定かではないですが、出演者のOKが取れなくて放映できないものが
あったという話を聞いたことがあります。
レンタルビデオは総集編なので、やっぱり全部見たいですよね!
じかん● Thu Mar 16 16:59:58 Japan 2000
おなまえ●あこ
メッセージ● めぐみさま
私も武田信玄と花神大好きです!
そもそもNHKの大河ドラマが再放送されないのは不思議でしたよね?
でも、今はレンタルビデオでほとんどのものが貸し出し可能になっています。
大河ドラマ以外で昔水曜日か金曜日に時代劇の枠がありそこで放映されいた
真田太平記を私はもう一度見たい!と思っています。
テレビ東京の松方幸村(いま再放送やってます)より草刈幸村が見たい!
じかん● Thu Mar 16 15:13:17 Japan 2000
おなまえ●masato
メッセージ●
「葵」おもしろですね。
でも、西田敏行はどうも秀忠のイメージじゃないなあ。わたしの勝手な意見です。
あと、お江が・・・。永井作品中のイメージが強すぎるんだな、きっと。

白圭さま。
永井作品のどれがお好きですか?
きっかけになった作品は何だったんでしょうか。

FPさま。
大谷吉継は意外とファンが多いんじゃないですか。「名将大谷刑部」はわたしも読みました。
判官贔屓には三成とともに人気がありますよね。


じかん● Thu Mar 16 1:28:43 Japan 2000
おなまえ●FP
メッセージ● はじめまして。
自分はここ2・3ヶ月で急激に歴史小説にハマってしまった者です。
今は時間を見つけては司馬遼太郎さんの作品を読み漁っています。
最近は「関ヶ原」を読んでいっぺんに大谷吉継ファンになってしまいました。
そのため、司馬遼太郎さんの作品ではないですが「名将大谷刑部」という本も読んでみました。
まだ、評論(?)などをできるほど読んではいませんが、このページがとても
おもしろかったので、一ファンとして書き込みさせてもらいました。
これからもHP運営がんばってください。では、また。

じかん● Wed Mar 15 12:11:27 Japan 2000
おなまえ●白圭
メッセージ● 私も永井路子さんの作品は大好きです。私が日本の歴史が好きになり歴史小説が好きになったのは永井路子さんの作品を読んだが始まりでした。教科書で学ぶよりずっと頭に入りのこります。そして大きな力となって私を支えているものの一つです。
じかん● Tue Mar 14 21:55:54 Japan 2000
おなまえ●めぐみ
メッセージ● 「葵」は絶好調ですね。職人技ともいえる脚本に加え、これだけの役者がそろえばさもありなんでしょうが。ただ個人的には西田秀忠は太りすぎのような気がしますね。
ところで大河ドラマアンコールシリーズと銘打って「武田信玄」の再放送があるようですが、この勢いで「花神」もやってもらえないかと儚い夢を持っております。「花神」は視聴率こそ高くなかったようですが、私同様このドラマから司馬作品に傾倒した人が意外と回りにいるんですね。ネットで呼びかければ署名が集まるかも。そう思う反面、今見ると違う印象を持つかも・・と見るのが恐い気もしています。
じかん● Mon Mar 13 23:52:19 Japan 2000
おなまえ●更紗
メッセージ● ご無沙汰しているうちに何やら楽しい書き込みがたくさん♪♪

はじめまして、の方々がたくさんいらっしゃいますね。
更紗といいます。よろしくお願いいたします。

私もこのHPで「王朝序曲」「望みしは何ぞ」を教えていただいて、すごーく感動したんです。
いつも楽しい情報をいただけるのでうれしくなっちゃいます。
「茜さす」は読売新聞に連載中にちょっと読んだだけでしたが、その時「永井路子の
初めての現代小説」と紹介されていました。なつかしいなあ。

「葵」も毎週楽しみで楽しみで。目下、江守三成がお気に入りです。
女優陣の年齢不詳ぶりが気になりますケド・・。
でもさすがに皆さん上手い!面白い!この先も注目です。




じかん● Mon Mar 13 20:19:28 Japan 2000
おなまえ●薫風
メッセージ● はじめまして。歴史小説好きの"薫風"と申します。
私も永井路子さんと司馬遼太郎さんの小説好きです♪
永井作品では『茜さす』が感銘を受けた作品です。司馬作品は『燃えよ剣』『梟の城』などが
お気に入り。司馬作品について語り合うメーリングリストをつくったはいいけど宣伝する場が
いまだ未完成なので宣伝させてくださいぃぃ。(もし不愉快に思われたら削除ください)

http://www.freeml.com/cat/art_humanities/literature/novel/
このカテゴリにあります。永井作品メーリングリストもつくられてみてはどうでしょう?

突然お邪魔して、ずうずうしく宣伝なぞしてすみません。
でも歴史小説ファンとしてまた寄らせていただきますね♪
じかん● Mon Mar 13 16:58:39 Japan 2000
おなまえ●遼太の父
メッセージ● 訂正

誤) 二代秀忠の凡庸と平和主義の秀忠の個性
正) 二代秀忠の凡庸と平和主義の個性

誤) 家康の巨大の政治的軍事的カリスマによって
正) 家康の巨大な政治的軍事的カリスマによって

大坂夏の陣が終わって淀殿や豊臣方の主だった人間が死ぬと、歴史の様相は一転してガラッと地味になる。実際のところを言えば、ほとんど歴史らしい歴史が無くなって、平凡で静穏な初期徳川の日常が続いてゆくことになる。このペースで行けば、6月には豊臣家は滅亡するだろう。

舞台が一変した静かな歴史の主役は、家光と春日局ということになり、政治の表舞台ではなくて大奥がドラマの主たる空間となる。このとき一気にNHKはキャスティングを若返らせるのではないかというのが私の予想であり、戦国ドラマからホ−ムドラマに一転したNHK大河を、西田敏行が、かつての『吉宗』のノリで軽快かつ悠然と演技し、それを中村梅雀が楽しくサポ−トしてゆくという構図になるに違いない。

後半はきっと『吉宗』と同じ雰囲気の(子供たちの跡目争いに父親が悩むという)家庭ドラマになるだろう。西田敏行を秀忠に配置したのは、つまり『葵』が、ジェ−ムス三木にとって『吉宗』の続編である(時代的には逆だけれど)からではないだろうか。
じかん● Mon Mar 13 13:52:21 Japan 2000
おなまえ●masato
メッセージ● デルフィさま、spoonさま、はじめまして。
管理人のmasatoです。

紫式部については、永井路子さんは「日本史にみる女の愛と生き方」にちょっと書いてますね。
あんまり好意的とは言えないですけど・・・。
また、杉本苑子さんの「散華」という紫式部の生涯を描いた作品もありますよ。読んだことあり
ますか?

雑誌(ムック)を見ていらっしゃった方からの反応ははじめてです。
雑誌にのってもアクセス増えませんね。

じかん● Mon Mar 13 9:16:12 Japan 2000
おなまえ●遼太の父
メッセージ● 前にジェ−ムス三木の戦場のリアリズムの描写について指摘しましたが、昨夜の『葵』でもそれがありました。関ヶ原に向う秀忠軍が、上田城を包囲しながら真田勢を攻めあぐねて時間を浪費したとき、全軍の士気が落ちるのを危惧して、戦線から逃亡を図った味方の足軽たちを容赦なく大量に斬首する残酷なシ−ンです。一罰百戒。軍規を厳重に適用した処刑ではありますが、寧ろ緩みつつある士気を引き締めるための見せしめですね。

戦国期の戦(いくさ)の実体を、そしてまた戦争一般の普遍的な真実をよく衝いています。

それと同時に思ったのは、その非情で過酷な戦のリアリズムに対してコントラストをなして浮かび上がってくる二代秀忠の凡庸と平和主義の秀忠の個性です。しかも役者が西田敏行ですから、なおさらそれが顕著に浮かび上がってきますね。ジェ−ムス三木の考え抜いたキャスティングの妙が生きています。

すなわち、二代秀忠の凡庸と平和主義のキャラクタ−こそ、戦国の終焉を、すなわち戦国の世はもう懲り懲りだという人々の厭戦の気分をシンボリックにあらわしているものだからです。徳川幕府は、ただ単に家康の巨大の政治的軍事的カリスマによって成立されるわけではありません。また大名たちの自己保身の「利」の動きによるものだけでもありません。家康の(陰気で謀略的な)覇権を社会の下部構造で支持したのは、まさに広範な人々の厭戦の気分そのものでありました。

戦国末期の人々の厭戦気分は、社会の平和と安定への希求となって徳川三百年の世を作り出す原動力となります。そういう新しい平和主義の時代の人間の生き方を代表しているのが、西田敏行演じる二代秀忠の個性に他なりません。『葵』の中で、そうした個性を出しているのは秀忠ただ一人だけですね。後の人間はみな血で血を洗う戦国の時代の精神をストレ−トに体現した者ばかりです。三成軍に包囲された大坂屋敷に自ら火を放って槍で胸を突かせた細川ガラシャ、戦(いくさ)とは命のやりとりをするものだと言う片桐且元、みな戦国に生きる人間そのものです。

こういう戦国の世の生き方を体現する人間たちが、これからドラマの中では全部死んでゆくわけです。その最後の大物である家康が死んで、時代は名実ともに秀忠の凡庸と平和主義の世の中になるわけです。徳川時代とはまさに凡庸と平和主義の時代でありました。英君、名君は少なく、凡庸と平和主義で三百年を統治し経世して明治へと繋ぎました。ジェ−ムス三木の歴史認識のメッセ−ジが実にわかりやすく伝わってきますね。








じかん● Sun Mar 12 13:52:53 Japan 2000
おなまえ●spoon
メッセージ● ホームページガイド春号をみました。
永井路子や黒岩重吾の歴史小説は好きですが、
こうしてみるとまだ読んでいない本が一杯。
とくに紹介されていた中では美貌の女帝というのを読んで見たいです。

ところでホームページの宣伝も可との言葉につられて、
なんの関係もありませんが、ホームページのCMです。
http://village.infoweb.ne.jp/~spoonm/
ワードやエクセルの初歩の操作など。
じかん● Tue Mar 7 15:12:56 Japan 2000
おなまえ●デルフィ
メッセージ● はじめまして
今 「悪霊列伝」を読んでいます その前は「王朝序曲」を読みました
わたしは 「源氏物語」大好き!!でその続きとして「紫式部日記」を読んでいるのですが あまり面白くなく、彼女の生きた時代が知りたくて 歴史の本をあちこち読んでいましたが、もひとつぴんと来ません。それで 以前読んだ永井さんの奈良朝時代の小説を思い出し 平安朝ものもないかしら?と思って本屋で見つけたのが「王朝・・」でした。すっかりはまってもっとほかに・・・と思い検索してみたら この楽しいページにたどり着きました
まだまだ、歴史も パソコンも勉強不足ですが これからも楽しく読ませて下さい!
NHKも大好きです 大河ドラマは 「花の生涯」からほとんど見ています。年齢がばれるー

じかん● Fri Mar 3 23:18:10 Japan 2000
おなまえ●けやき
メッセージ● おひさしぶりです。
というか、ほとんどの皆様、はじめまして。
けやきと申します。

白熱した議論が繰り広げられてますね。

私もこの程HPを作成しました。
永井さんの作品は、ほとんど読んでないので、
ここに宣伝させてもらうのも申し訳ないくらいなのですが、
司馬さんのものはアップしているので、
よかったら遊びに来てください。


http://www8.freeweb.ne.jp/novel/ninnja/




じかん● Wed Mar 1 12:10:35 Japan 2000
おなまえ●masato
メッセージ● 管理人です。

あやめ様。

藤原道長って本当はどんな人物だったんでしょうね。作家によってはどんな捉え方もできるわけ
です。永井路子さんも「三條院記」「噂の皇子」「この世をば」の三作品で同時代を描いています。
最初の「三條院記」は読んでないので何とも言えませんが、ずいぶんと違うようですし。

道長の出世はまず結婚相手を選ぶところから始まり、そして疫病での兄たちの死、そして兄の子
である伊周との戦いに姉の力によって勝って権力の座についたわけですよね。どれも本人が企ん
だことではないのかもしれませんが、権力を握ることで人間が変わるということはよくあるんじ
ゃないでしょうか。権力を握ってからの彼のやりようはこの時代には当たり前なのかもしれませ
んが、相当のやりてです。若い頃の彼は野心に燃えていたのではなかったのかもしれませんけど。

永井作品への感想大歓迎です。みなさんの参加をお待ちします。
じかん● Wed Mar 1 10:03:46 Japan 2000
おなまえ●あやめ
メッセージ● 「この世をば」について

皆様の勢いに乗せられて私も。
ここにかかれている道長はあくまでも「時代の寵児」で、本人には出世の意思はなかった、と私は思う。女性の間で動かされている人。「本当に俺でいいんだろうか。そんなつもりではなかったんだがな・・・。この道長、好きです。まだまだ勉強不足ですが・・・。
じかん● Wed Mar 1 9:31:59 Japan 2000
おなまえ●遼太の父
メッセージ● 三成の場合ですが、単純に大義に殉じたとか、利ではなく義で動いたと言ってよいかどうか。

この比較で敢えて言えば、三成は容保ほど政治的に幼稚で愚直な殿様ではないと思います。もう少しポリティシャンであるし、また島左近のような有能な参謀スタッフを持っていました。

太閤秀吉への恩義に殉じたといえばそうかも知れませんが、単純にそれだけではなくて、やはり武士としての大きくて美しくて意味のある死に場所を求めた、死に方を顕かにしょうとした、ということなのではないでしょうか。

その死に方、すなわち人生の最終幕を、「関ヶ原の戦い」という空前で壮絶な大戦闘劇にまで演出するにすることによって、家康の権力簒奪の不当性と太閤秀吉の存在の巨大な歴史的意味を彰かにしようとした、そう考えることができると私は思うのです。

かくして関ヶ原の史実は大きく歴史に残りました。三成は敗者となって惨めに斬首されましたが、史上最大の内戦史をこの国の歴史に刻み込むことになりました。歴史が物語となって語られるとき、判官贔屓の日本人は、常に敗者である西軍側に心情的に傾いてゆきます。

そして、家康の権力争奪と徳川幕府の歴史には、ある種のうさん臭さと言うか、暗さのようなものが最後まで纏わりつくことになります。その正統性と合法性を高らかに誇らしく宣言できない弱さがついてまわるわけです。

最終的には、そのことが徳川幕府の命取りになりました。親藩である水戸藩までが、徳川は覇であって正統の王ではないと言い出すわけです。(だからあの中村梅雀の演出は実はきわめて作為的で象徴的なのです、ジェ−ムス三木は凄い)。尊皇卑幕の風潮とイデオロギー。徳川体制はこれによって崩されます。

そう考えたとき、果たしてどちらが本当の勝利者と言えるのでしょう。

三成が立たなければ、関ヶ原の戦いという歴史はなかったわけですね。男は歴史を作るためにこそ生まれてきているはずなのです。