ついに中川で恐竜発見!

〜日本初!テリジノサウルス類のツメ化石、中川で確認〜

 「大きなカギツメ」が特徴の謎の多い恐竜「テリジノサウルス」のものとみられるツメ化石が,中川町の白亜紀後期の地層「上部蝦夷層群オソウシナイ層」(約8300万年前)から日本ではじめて発見されました。

1)謎の骨化石発見!なんと日本初のテリジノサウルスのツメ化石だった!

 2000年の秋に中川町在住の遠藤富士幸 氏が、天塩川水系の安平志内川流域で骨のようなものが含まれた細粒砂岩ノジュールを発見し、旧中川町郷土資料館に寄贈されました。
 2003年夏の特別展「南と北の白亜紀物語」の化石クリーニング実演コーナーで、全国から集まった学生アルバイトによって、この骨化石のクリーニングが進められました。クリーニング作業は、のべ4ヶ月を要して終了し、ツメ2点と指の骨と思われるもの数点が抽出されました。このうちツメ1点は、先が欠如しているものの、ほぼ完全な形で残されており、長さは約14センチに達します。ツメ化石2点は、
1  比較的大きなサイズのわりに薄く、全体のカーブが弱い。
2  関節面の背側(上側)に小さなリップ(張り出し)が存在する。
3  関節面腹側(下側)の屈筋突起(くっきんとっき)という張り出しが弱い。
などから、早稲田大学国際教養学部の平山 廉 助教授によりテリジノサウルス類のツメの化石であると鑑定されました。


発見されたテリジノサウルス類のツメ化石

2)テリジノサウルス類の化石

 中川で発見されたテリジノサウルス類の化石は、小平町(ハドロサウルス類)、夕張市(ノドサウルス)につづき、北海道では3例目となる恐竜化石になります。テリジノサウルス類の化石は、熊本県御船町で歯2本と頭骨の一部(脳幹;のうかん)が発見されており、日本で4例目,またツメ化石としては日本初の発見です。
 【テリジノサウルス】テリジノサウルス(大鎌のトカゲ)という名前のとおり、長いツメが特徴の恐竜です。全長3−11メートル。ティラノサウルスなど肉食恐竜と同じ獣脚類(じゅうきゃくるい)ですが,歯は植物食恐竜の特徴を示しています。食性については植物食であったという説のほか、昆虫を食べたという説もあり、よくわかっていません。体表に羽毛状のものが認められる種類もあり、鳥類への進化を指摘されている羽毛恐竜のグループのひとつで、アジア(中国、モンゴル、日本)、北米などで発見されています。


3)発見の意義

日本初のテリジノサウルス類のツメの化石であるということ。
○ テリジノサウルス類としては最も新しい時代の標本のひとつである(熊本県御船町のテリジノサウルスよりも約1000万年も後の地層から発見されました)。
海でたまった地層からはじめて発見されたことにより、アンモナイトなどほかの化石からテリジノサウルスが生息していた時代を特定でき、やはりテリジノサウルスの化石が発見されている中国やモンゴルの地層との年代的な関係の解明に役立ちます




テリジノサウルスの生体復元図
平田正礼(高知大・院)原図


中川町産テリジノサウルス類の産出部位(発見された右前脚の部分)
村上瑞季(千葉大)原図



テリジノサウルスが発見された時代