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中川町郷土資料館に本年4月から「化石の里づくり推進室」が設けられました.職員2名(うち1名研究職)を配置し中川町の保有する貴重な資源(化石,動植物,自然,産業史,民族史など)の洗いだしを行い,本町の文化を探り,再発見のための資料の収集に力を注いでます.中川町はアンモナイト,クビナガリュウの化石が町外の方には知られています.今回は,郷土資料館の動きとクビナガリュウの近況をお知らせします.
クビナガリュウ里帰り...
そして開拓記念館で初公開!!
1991年(平成3年)に発見されたクビナガリュウは,地元でのクリ−ニング作業(化石を岩石中より取り出す作業)の後,1994年(平成6年)8月以降は研究のため,香川大学の仲谷助教授のもとで一時的に保管されてました.研究の終了とともに今年6月,中川に3年ぶりに里帰りしました.
戻ってきたクビナガリュウは共和小で一時的に復元され,今度は北海道立開拓記念館の特別展「クビナガリュウからステラ−カイギュウ −化石にみる世界の海」(7月11日〜8月31日のあいだ開催)でその雄姿を公開するために開拓記念館に出展されています.7月11日には特別展のオ−プンニング・セレモニ−が行われ,中川町からは鈴木政宏企画課長(化石の里づくり推進室室長)と郷土資料館非常勤嘱託調査員の西野孝信氏および疋田吉識研究員が出席しました(下の写真はテ−プカットの時のもの.左から2人目が鈴木企画課長).

今,注目を集めている中川町周辺の地質
中川町は,中生代から新生代の海成層(海でたまった地層のこと)が広く分布し,アンモナイトをはじめ多くの化石が産出します.このことは,中川町域が北西太平洋の古環境の復元および日本海・オホ−ツク海の形成に関して重要な研究フィ−ルドになる可能性があることを示しています.
しかしながら,これまで中川町の地質に関する研究は多くありませんでした.この夏,中川町のに分布する非常に興味深い中生代白亜紀から新生代第四紀までの地層(下の地質表参照)および化石の研究のため,複数の大学が野外調査に訪れています.6月以降現在まで中川町のエリアを地質調査している,または7月末から調査を予定している大学は,早稲田大学(2名),北海道大学(2名),神戸大学(1名),東京大学(1名),静岡大学(3名)です.いずれの大学も学生が中心となって,おもに佐久よりも南側の山を調査をしています.山の中であってもあやしい人ではないので気軽に声をかけてください.

クビナガリュウの発見〜そして現在いま
表で述べたようにこのクビナガリュウは現在,北海道立開拓記念館の特別展「クビナガリュウからステラ−カイギュウ -化石にみる世界の海- 」(7月11日〜8月31日のあいだ開催)に出展されており,道内外の見学者の注目を集めています.
このクビナガリュウは,1991年(平成3年)8月8日,中川町の安平志内川流域から埼玉県川口市在住の山路徳次氏他3名によって発見された.同年8月21〜25日にかけて,中川町郷土資料館名誉館長の魚住悟氏(北海道大学名誉教授)を始め,中川町役場職員5名,町の化石協力員5名,なかがわ化石会会員数名の方々を中心に発掘が行なわれた.化石を含んでいた地層は函淵層群上部の安川層で,白亜紀後期(約7200万年前)に堆積した地層である.骨はほとんどかき乱されていたことから,死後,死体の腐敗が進行するなか,それぞれの骨がばらばらになり,それらが掃き寄せられた後に埋没したと推定される.クリ−ニングは町から依頼された4名の方々によって1992年6月〜1994年4月まで行なわれ,図1に示している部分が発見された.香川大学教育学部の仲谷英夫助教授と大学院生(当時)の小川香氏の研究により,プレシオサウルスのグル−プのなかで特に首の長いエラスモサウルスの仲間に近いこと,また復元すると全長12mに達する国内最大級のクビナガリュウであることが現在まで明らかになっている.

1973年(昭和48年)9月中川町のニオ川上流域からクビナガリュウ化石が本町佐久在住(当時)の高木栄一氏によって発見された.その後1974年(昭和49年)5月27日〜6月30日まで故湊正雄北海道大学名誉教授,魚住悟北海道大学名誉教授(現郷土資料館名誉館長)をはじめ北大関係者によって北海道で初めてのクビナガリュウ化石の大がかりな発掘が行われた.クリ−ニング作業の結果,図1に示している部分が発見された.全長は8m前後と推定されている.生息時代は中生代白亜紀のカンパニアン世(約8000万年前)とされ,穂別町や小平町で発掘されたクビナガリュウ化石と同じ時代とされている.現在,このクビナガリュウは郷土資料館の2階に展示中です.
2体のクビナガリュウの復元骨格図を下にのせています.灰色に塗っている部分が実際に発見された骨です.昭和48年に発見されたクビナガリュウ(図1の上)は穂別で発見されたものとほぼ同じ大きさです.2体のクビナガリュウの大きさを比べてみてください.平成3年に発見されたクビナガリュウがいかに大きいかがわかっていただけるでしょう.
