えりもの森裁判 
なぜ、いま「えりもの森裁判」なのか? なぜ、いま「森林」なのか?
=====市川守弘氏講演『やんばるからえりもまで』の案内に代えて======
 十勝自然保護協会は、8年前に、然別湖の奥地で行われた国有林伐採をめぐって、伐採計画の根拠となる材積量の数値に疑問を抱き、会員の手で実際に現地に入り、伐採予定林班の毎木調査(立木の「高さ」と根本から130センチの高さの「胸高直径」を1本ごとに計測)による材積量の計測を行ったことがあります。
調査データをもとに、当
時の帯広営林支局の過大数値の誤りを指摘し、伐採計画の修正を迫りました・・・。
市民の足と手と目が、国有林の中に入って、おびただしい本数の立木を実際に調査したのです。(前後して国有林の伐採に関する不正事件が発覚し、当協会の動きを知った関係者から、疑惑の存在を示唆する情報も寄せられるようになりました。)
この調査結果は、「経験による予想や、噂のレベルでしか語られなかったある種の事柄」が、真実であるという確信を持たせるに十分なものでした。
日本の森林行政をめぐる構造的な問題が、広がりを持って透けて見えてくるようでした。

 さて、時はめぐり、森林は今日われわれの周辺でどのような変貌を見せているか。
十勝では、帯広の森の植樹
が進む一方で「若葉の森」や「稲田の森」がどうなったか。
奥地では、緑の回廊の設定の一方で大規模林道開発によって森林がどうなったか。
我々が、日頃、こころを痛めているこれら「森」を巡る個々の問題を、いちど整理し、市民運動の輪をより強固なものしたいものです。

 また、日高では、大規模林道工事が同じ地域で始まったことから、数年前から十勝自然保護協会も、現地に関わりを持つようになりました。
 ある時、目撃したのが、えりも町にある道有林の皆伐とナキウサギ生息地の破壊です。
ナキウサギふぁんくらぷ、北海道自然保護協会、北海道自然保護連合と共に、ただちに現地調査に乗り出しました・・・。

 その結果「えりもの森裁判」が生まれました。
 この講演を通して、「えりもの森」の皆伐の実態を知り、さらに、それがどんな問題を投げかけ、またわれわれがどのように森林に向き合うべきかを考えたいと思います。 講師の市川守弘氏は、士幌高原道路問題の「ナキウサギ裁判」の主任弁護人であり、北海道自然保護協会の副会長として、また、環境法律家連盟の理事として活躍中です。
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