髪型『ツインテール』についての考察

資料リンク

(英文ページ)『Wikipedia Mascot』
http://meta.wikimedia.org/wiki/Wikipedia_mascot 日本人が投稿したWikipediaのマスコットキャラ『Wikipe-tan』。ツインテールの可愛い女の子です。
『ツインテールとは』
http://www.fuzzy2.com/words/twintail.html
『ツインテール』
http://ja.wikipedia.org/wiki/ツインテール

概要

(上記頁の引用です)

 ツインテールとは、髪を左右に2本下ろした髪型です。特徴は、耳より上の位置で髪をまとめていることと、髪を編まないことです。(参考: 後ろに1本下ろした髪型は「ポニーテール」です。また、耳より下の位置で髪をまとめた形は「おさげ」扱いになります。「ツーサイドアップ」は「お嬢様ヘア」のバリエーションとも考えられ、髪の一部(上側)を左右に2本下ろし、残りの部分(下側)をストレートに下ろした髪型で、ツインテールと区別される状況があります)

呼称

 外国語にはない呼称。強いて言えば Pig Tail の一種か。ツーサイドポニーやツーテール、ツーサイドアップなどツインテールに類似の言葉は多くあるが、どうもこれらの多くは和製らしい。また同時に日本発で海外に広まりつつあると思われる呼称もあり、判別は難しい。だが欧米ではこれらの髪は Pig Tail でひとくくりという話もあり、発祥はやはり日本のようだ。

 歴史的事情により漫画やアニメ、あるいはドール関係から普及は始まったようだ。一般用語としては子役や若いアイドル経由で広がりはじめているが、普及度は高いとはいえないだろう。まだまだこれからの言葉である。

 ただし髪型自体はそう目新しいものではない。いわゆる「おさげ」やポニーテールのバリエーションであり、日本でも女児または未婚の若い女性の髪型としては非常に古い。シンプルな髪型でもあり、おそらく原型は千年前にもあったのではないかと考えられる。ただそこに的確な呼称がない、あるいは死語となってしまっており、そこにツインテールという名称が充てられる事となったのだろう。

発祥

 諸説あるのだが、おそらく派生または波及には複合的要因が絡んでいると推測される。もともと「ツーテール」という言葉がある事。テレビ番組『帰ってきたウルトラマン』における有名な怪獣『ツインテール』の存在。双子や電器製品などで「同じものがふたつ並んだ状態」の表現として、日本語では「ツイン」の呼称がよく使われていた事。そして「ツー」より「ツイン」の方がみみざわりがよい等、おそらくそれら全てが派生と波及にそれぞれ影響を与えたのだろう。

 最も初期に普及したのは漫画界といわゆるドールの世界であるという。だがこれにもたぶん諸説ある。もともと漫画界と日本SF、そしてドールの世界はそれぞれファン層や作家層の一部がダブっている。たとえば美少女漫画のパイオニアである吾妻ひでお氏だが、彼はもともと美少女漫画家以前にコアなSFマニアとしての顔も有名である。こういう事もあり、いったいどこが最初であるのか、きっとその結論にはしばしの時間を要するであろう。

 しかし混乱しているのは派生論だけであって、その意味や読み方についてはほとんど統一されている。よってこれらの決着はマニアや研究家の判断任せとしていいのではないかと思われる。

 なお、アニメ『機動戦艦ナデシコ』のホシノルリなどがそのメジャー化に貢献したのは史実だろうが、発祥が90年代であるというのは俗説である。インターネット以前の時代にもNifty-serveなどのBBSでツインテールという呼称はすでに存在したようだ。おそらくは、同じく日本が生み出した名称である『ポニーテール』の二本だし版として、二本だしポニーテールという意味でツインテールという名称が考えられたのではないか。

イメージ

 日本ではもともと女童(めわらわ)の髪型であるから、やはり子供か若い女性のイメージが強い。 まとめる位置が耳より低いと「アップ」つまり上げ髪(あげがみ)にならないので、この場合はツインテールには含まれず、おさげのカテゴリーになる。

 海外ではその限りではないのだが、そもそも「ツインテール」という呼称が日本発のものなので、2007年1月現在においては、やはり少女の髪で問題ないのではないだろうか。

 ポニーテールより大人しく、しかし決して不健康ではないイメージがある。このため知性に優れた女の子のイメージに使われる事もある。これについては賛否両論あるのだが、おそらくポニーテールだと活発すぎて知性派のイメージが弱くなってしまうが、ツインテールではその心配がないためとも考えられる。

 もっとも、知性派の女の子のツインテールは幼少時の場合が多い。たとえば長い髪をサイドやバックでまとめている女性の幼少時代がツインテールである、というケースである。これは、美しい女性の子供時代を「おさげ」で描くのと同じ、一種の古典的手法であると考えられる。