パキスタンのインダス川上流部からカシミール、インド北部、ネパール、シッキム、ブータン、チベットまで、世界の屋根ヒマラヤ全域をカバーした植物図鑑。日本ではもちろん初めて、世界でも頂点に立つ本格的な図鑑です。標高300メートルの熱帯の植物から標高5500メートルに生きる高山植物まで、1771種類の植物を2724点の美しいカラー写真と的確な解説で紹介します。キングドン・ウオードが「こんな神秘的な淡青色をした花があるとは信じられなかった」と感嘆した青いケシ。極寒の気候に適応するために、苞葉や葉で花を包んだ「温室植物」セイタカダイオウ、長い綿毛で花を保護する「セーター植物」ワタゲトウヒレンなど、頁をめくる度に興味深い植物たちが続々と登場します。
　巻頭に収録した4色地図34枚は、20年に及ぶ実地踏査をもとに作成された貴重な情報源。花を訪ねるトレッキングはもちろん、高峰を目指す登山隊のアプローチの資料としても役立ちます。この他、巻頭には「ヒマラヤ植物研究史」（大場秀章東大教授）、「ヒマラヤの植物地理」、「ヒマラヤ高山植物の適応戦略」などを収録。
　収録植物数1771種類、収録カラー写真2739点。