ecoism

2012年7月
カラスが人を襲うにはそれなりの道理がある!?

今の季節、町を歩くとカラスのダミ声があちこちから聞こえてくる。巣離れした幼鳥と子を守る親ガラスが鳴き交わしている声だ。この時期、カラスに襲撃される「事件」がしばしばニュースになる。
 6月末の朝、実は私もカラスに襲われた。数十年、この鳥と付き合ってきた私にとって初めての体験だ。その情景を再現してみよう。マンションの前で車を停め、人を待っていた。ふと歩道を見ると街路樹の枝が散乱している。我が家はオンドルが取り付けられていて、夏でもお湯を沸かすのに割り箸や木の枝を燃やすことがあるので、その枝を拾い集めた。そこをカラスが襲ったのだ。足で頭部をつつかれた。ちょっとした衝撃だ。幸い帽子をかぶっていたおかげで怪我はしないで済んだ。街路樹のハルニレを見上げると、未完と思わしきカラスの巣が見えた。でも6月末のこの時期にしては、いかにも遅い。マンションの住民に聞いたところ、以前巣を人間に撤去されたのだという。それでピンときた。私が枝を拾うのは巣材を持ち去る不届きな行為と映ったのだろう。人間に巣を壊された恨みも残っていたはずだ。
 結論を言えば、カラスが人を襲うのには道理があるのではないかということだ。人間側が気付かずに原因を作っている場合もあると知るべきだろう。カラスが騒いでいるエリアでは傘を差して歩くのが、もっとも有効な対策という点も付け加えておく。

エコ・ネットワーク 小川 巌


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