ecoism

2010年10月
植樹ブームに水を差すと

世はあげて植樹ブームの様相を呈している。企業、役所、学校、町内会、NPOなどの環境ボランティアとしてすっかり定番になっている。木を植えて50年後、100年後の夢を見るのは悪いことではない。けれども何か工夫が足りないような気がする。業者から買ってきた苗木を穴に差し込んで土をかぶせてお仕舞いという「お手植え」タイプが主流だからである。
 
それだけで森が復元できるのであれば、世話はない。実は植えてから数年が勝負とは、関係者なら知らぬ人はいないはず。この期間は年に34回、草刈りをしないといけないのだ。その作業を怠ると小さな苗木は生い茂る草の陰になってしまい、挙句の果て枯れてしまうのが続出する。そうならないよう、森林組合などの作業員が夏の暑さもものかわ、人知れず草刈りに励んでいる事実さえ知らない人が多い。一度植えたら数年間は面倒を見る、といった本格的(本物のと言うべきか)な植樹こそブームになってもらいたいと思わずにいられない。

エコ・ネットワーク代表 小川 巌


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