様似のアイヌ古式舞踊

カムィイフケ(熊の子守歌)


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 カムィイフケは熊の子守歌です。岡本ゆみさんから伝承されたものです。これは岡本ゆみさんの「クマのイフケ」とほぼ同じお話です。「クマのイフケ」を紹介します。(イフケはイフンケとも表記されます。)

 

<赤ん坊をおぶって>

 

カムィイフケ(熊の子守歌)の歌です。


(アイヌ語原文)「クマのイフケ」

an- kor popo pirika ru an pe nep kamuye koko ne an-kor

penuki ki cik koko epirka an=ki nankor?

porosir un kamuy koko ne an=kor

penuki ki cik koko epirka an=ki nankor?

porosir un kamuy iki wa ne cik

humi yupke wa tapanpe kusu an=eoripak

imakakewa nep kamuye koko ne an=kor

penuki ki cik koko epirka an=ki nankor?

pon kannakamuy koko ne an=kor

penuki ki cik koko epirka an=ki nankor?

pon kannakamuy iki wa ne cik

sanpe takne wa tapanpe kusu an=eoripak

imakakewa nep kamuye koko ne an=kor

penuki ki cik koko epirka an=ki nankor?

pon kimunkamuy koko ne an=kor

penuki ki cik koko epirka an=ki nankor?

pon kimunkamuy iki wa ne cik

iperuy kaspa tapanpe kusu an=koihumke

tapanpe kusu iskohetetari iskohepoki

an-ki kano okay=an a wa

pon repunkamuy yan a wa an ine

an-kor popo tessaykari wa too repun ma isam

ki orowano repunkamuy an-kor popo ekira wa oman

tapanpe kusu repunkamuy santekehe

(クジラを)幌泉に(追い)上げて、みんなが暮らしよく、肉食って暮らしたっていうkimunkamuyのyayeyukarだよ、これは。

             <一部は日本語><2020年に人称接辞の表記を変更しています。>


(日本語)「クマのイフケ」逐語訳

私の子ども よい容姿ある者 何の神をむこに私持つ

そうするなら むこで幸福になる 私 する だろうか

 

ポロシリの神をむこに私持つ

そうするなら むこで幸福になる 私するだろうか

ポロシリの神ならば

音が激しくて そのため私は遠慮する

 

そうしたら何の神をむこに私持つ

そうするなら むこで幸福になる 私するだろうか

小龍神をむこに私持つ

そうするなら むこで幸福になる 私するだろうか

小龍神ならば

気持ち短くて そのため私は遠慮する

 

そうしたら何の神をむこに私持つ

そうするなら むこで幸福になる 私するだろうか

小熊神をむこに私持つ

そうするなら むこで幸福になる 私するだろうか

小熊神ならば

大ぐらいすぎるそのため私は遠慮する

 

いう私はながら私の子どもに私は子守歌を歌う

そのため頭を上げたり、頭を下げたり

私はしながらいる 私は たら

 

小シャチ神があがったら

私の子どもをひったくって ずっと沖へ行ってしまった

そうしてから シャチ神が私の子どもを連れて逃げて行った

そのためシャチ神の子孫が

クジラを幌泉に追い上げて、みんなが暮らしよく、

肉食って暮らしたっていう熊神の自叙伝だよ、これは。


楽譜その1です

楽譜その2です


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