第4学年アイヌ文化学習案<総合的な学習>

【関連単元名】「開発の様子と人々のくらし」-「開発に取り組んできた人たち」-「アイヌの人たちのくらし」
       「あたたかくなると」(イナキビ・インゲン豆・カボチャの栽培)
       「様々な調べ方で方言について調べて」(「ローマ字」)

体験学習のねらい 
○イナキビの収穫から調理までの体験を通じ、アイヌの人たちの生活の様子と工夫や苦労を感じることができる。
・脱穀する過程を一人一人が体験することによって、当時のアイヌの人たちの苦労や工夫を感じとることができる。
・イナキビの保存法などを知ることにより、アイヌの人たちの保存の知恵の素晴らしさを学ぶことができる。
・当時の生活様式の中で本物の口承文芸に触れることにより、より深くアイヌ文化の素晴らしさを体感することができる。

体験学習の時期 
・イナキビの穂づみの時期である。(10月の中旬)
・理科「あたたかくなると」社会科「開けゆく日高」国語科「様々な調べ方で方言について調べて」「ローマ字」6時間分に体 験学習を当てる。

時数

学習の内容

素材の準備

留意点

体験学習の流れ

学習形態

素材名
人材名

入手方法
連絡方法

参考資料

1時間目

■選択1
イナキビの種をまく。

■選択2
カボチャ、インゲン豆の種をまく。(理科の学習と関連)

各学級

イナキビ
カボチャ
インゲン豆

サティなどで購入可。貝沢農園・貝沢耕一氏(01457-2-2089)。わからない場合はウタリ協会様似民族文化保存部会(6−5656)に相談。

わからない場合は保存部会を通して、貝沢農園・貝沢耕一氏に電話等で栽培方法を確認する。

畑が必要だが、PTA生活部の親子農業体験事業などで協力してもらうのも一つの手である。

2時間目

(■選択1より)
アイヌの保存食について学習する。
イナキビの穂づみから調理までの作業について学習する。
穂をつむ。
(■選択2より)
カボチャ、インゲン豆の収穫

各学級

イナキビ収穫に際してはピパ(様似でとれたムラサキイガイを使う。ムール貝でも代用可)

ウタリ協会様似民族文化保存部会(6−5656)

ヒエ・アワ・キビなどの穀物に関する資料があればよい。
くされイモ・ウバユリなどの保存食の資料・ビデオ。

穂の状態で保存していたのは、保存に一番適していたため。脱穀から調理までは女の仕事であった。

3時間目

脱穀する
(昔の杵と臼でつく、びんに入れて棒で突く)

各学級

ムイ、ニス、イウタニニス、イウタニ、びん、棒

ウタリ協会様似民族文化保存部会(6−5656)

 

脱穀の際アレルギーのある児童に配慮する。

4時間目

(■選択1より)
イナキビご飯を作る。
(■選択2より)
カボチャ、インゲン豆などでラタ
(混ぜ煮)を作る。

生活館
あるいは
家庭科室

イナキビ、米、塩(のり)。

カボチャ、インゲン豆、(キハダの実)、調味料など。

ウタリ協会様似民族文化保存部会(6−5656)

アイヌ料理レシピは保存部会より提供。

生活館はウタリ協会の承認を得て、様似町が国と道から補助金を得て建てたものであり、本来アイヌのために建てられたものである。従って、アイヌ文化学習の場合、優先的に使うことができる。

5時間目

おにぎり(あるいは混ぜ煮)を食べながら、お話トゥイタ(日高西部のカムイユカに当たる)をアイヌ語で聞く。
お話やおにぎり(あるいは混ぜ煮)についての感想、質問。
時間に余裕があれば、アイヌの歌、さらに時間があれば踊り。

生活館
あるいは
家庭科室

熊谷カネ氏のトゥイタ「キツネのチャランケ」踊り「チャピヤ」
保存部会(澤木麗子、佐々木緑、李沢桂子、佐藤牧子他)

ウタリ協会様似民族文化保存部会(6−5656)

トゥイタ「キツネのチャランケ」
踊り「チャピヤ」
保存部会に録音CDとテキストがある。事前に内容を確認しておくといい。

トゥイタをアイヌ語で生で聞いたり、おにぎり(あるいは混ぜ煮)を食べてみた感想を体験の後にひろいあげることが大切。

6時間目

様似アイヌ語教室
 発展学習として国語で日本語方言の学習に合わせて、アイヌ語の時間をもうけて、アイヌ語の方言や簡単なアイヌ語を教える。

各学級

講師
熊谷カネ氏
李沢桂子氏

内容
挨拶、自己紹介程度のもの

ウタリ協会様似アイヌ語教室
(6−5656)

ビデオ『萱野茂の初級アイヌ語会話』
アイヌ語ラジオ講座テキスト
様似アイヌ語教室テキスト
アイヌ語辞典

方言学習やローマ字学習と関係させて行ってもよい。
学校図書としてアイヌ語の辞典を購入しておくとよい。
(様似アイヌ語教室の年間活動の一環として行う。)