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様似アイヌ語教室2000.12.20 
前回の復習(熊谷カネ氏が昔様似で聞いた言葉)

パケ チャヤケpake cayake(髪が乱れていること)・・・(沙流)cayayke

パケ トントネpake tontone(頭がはげている)

シットココsiktokoko(目を見開いてじっと見つめる)

エトゥンコetu-n-kor(少し、鼻くそほど少し)

エトゥンラチチetu-n-racici(鼻たらし)

エトetoro(いびき)

パaspa(耳が聞こえない、つんぼ)・・・aspap(耳の聞こえない人)

モコロ トットmokor totto ・・・子守歌の一節  

サンペ テケテケsampe terketerke(どきどきする、心臓がはねはねする)

ホニ ポロhoniporo(お腹が大きくなる、妊娠する)


簡単な日常会話


■呼びかけのことば

ア・ヌ?(あなた・聞こえる?)

ア・ヌ ヤ?(あなた・聞こえる・か?)

エー(はい)

ア・ 「あなたは」

ヌ  「聞く」

ヤ  「か」

■家の訪ね方

アイヌは人の家に黙って入っていくような理不尽なことはしませんでした。

○冬、家の前でかんじきをぬいでたたいてならし、中の人に人が来たことを知らせた。

○家の壁をたたいて、中にいる人に人が来たことを知らせた。(今のドアノック)

○家の前でせきばらいをして、中にいる人に人が来たことを知らせた。

■私とあなた

私        クアニ(沙流方言ではカニ)

あなた、おまえ  エアニ

■自己紹介の仕方

カニ アナネ (自分の名前)。「わたしは(自分の名前)です。」

カニ アナネ (自分の名前) ク・ネ。「わたしは(自分の名前)です。」

アナネ  くっつきの「〜は」、係助詞の「〜は」にあたります。

ク・ネ  「ク・」は「私は」という人称接辞です。ネは「です」。


体の各部の名前を覚えよう。


背中   セトゥsetur

肩    クケウkukew

腕    タスッtapsut

脇の下   ヤトゥポクyatupok, ヤポクyarpok

ひじ   シットッケウsittokkew, シトッsittok

手    テtek

掌    テッコトtekkotor

手の指   アケペッaskepet

足の指   ウレペッurepet

人差し指   イタンキケケペッitanki-kem-askepet

小指   ポンアケペッpon-askepet

中指   スケケペッsu-kem-askepet

薬指   ポンスケケペッpon-su-kem-askepet

親指   ポロアケペッporo-askepet

爪    アam

お尻   オソosor, オソosorkam

脚    チキcikir, ケマkema

ひざ   コッカパkokka-pa, コッカパケkokka-pake, コッカサパkokka-sapa

ひざの裏   ニヨポクniyorpok,ニヤポク niyarpok

足    ウレure,  チキcikir

足の裏   ウレアサureasam,  チキリアサcikir'asam

足の甲   ウレメッカuremekka, チキメッカcikirmekka

ちんちん   チci(チェヘciyehe)

魚のカレイ  サマンペsamampe

大便   オソマosoma, シsi

小便   クイkuy,クイワッカkuywakka

 

体の名称でだれそれの何々というふうに使われることが多い。その場合、単語の頭に、ク「私」エ「おまえ」などの言葉がつき、単語の後ろに「ハ・ヒ・フ・ヘ・ホ」のいずれかがつく。

ク・シキ・ヒku=sik-ihi(私の目)

エ・ナヌ・フe=nanu-hu(おまえの顔)


使用教材

社団法人北海道ウタリ協会編『アコ イタAKOR ITAK』(社団法人北海道ウタリ協会)1994

萱野茂『アイヌ語会話〜初級編〜』(カムイト。ラノ協会)1987