平成19年度
知床世界自然遺産生態系調査報告会

知床世界自然遺産生態系調査報告会のご案内

 このほど、知床世界自然遺産地域に関わるさまざまな調査研究の成果の報告会を、下記の通り開催することとなりました。知床世界自然遺産地域科学委員会委員、当地域における各種調査研究への参加者、及び、今後関わることを検討されている皆様に広く参集を呼びかけたいと考えております。皆様が所属される各種試験研究機関、学会などを通じて広報いただきたくお願い申し上げます。

主 催
 環境省釧路自然環境事務所
日 時
 2008年3月10日(月) 9:30〜18:00
対 象
 知床世界自然遺産地域に関する各種調査研究に係る研究者、当地域における調査研究に興味をもたれている研究者、院生・学生、及び、行政関係機関担当者
場 所
 札幌学院大学社会連携センター301号教室
 〒060-0042 札幌市中央区大通西6丁目

開催趣旨
 知床半島及びその周辺海域では、陸域・海域を問わず多分野の調査研究が多くの主体によって実施されている。陸域では古くから動植物に関する調査研究が行われ、さまざまな成果が蓄積され、海域では2007年より精力的な調査が行われるようになり、新たな知見が得られつつある。しかし、各研究の進捗状況、成果および課題を研究者間、研究者と行政間で広く把握する機会がないのが現状であった。本報告会は異分野間の研究交流の機会として平成18年度から開始され、知床の生態系をまさにひとつの「系」としてとらえ、研究を効率的に進めていくためのネットワークの構築、本地域の学術研究やモニタリングの安定的推進、及び、保全に資することを目的としている。また、世界自然遺産地域の管理を担う行政機関も参加することで、順応的に不可欠であるモニタリング調査について、研究者との情報交換を進め、綿密な連携協力を考える。

プログラム
1.挨拶
 環境省釧路自然環境事務所 所長 北沢克巳
2.趣旨説明
 山中正実(知床財団)
3.陸上動植物関連調査報告 
 座長 石川幸男(専修大道短大)
・知床半島の植物相  高橋英樹(北大総合博)
・硫黄山周辺におけるシレトコスミレの分布状況  内田暁友(知床博)
・シレトコスミレの遺伝分析経過報告  工藤岳・亀山慶晃(北大院地球環境科学)
・知床半島におけるヒグマの遺伝分析結果  釣賀一二三(道環研)
・希少猛禽類保護繁殖事業等の結果  中川元(知床博)
・移入種(アメリカオニアザミ)の現況調査  岡田秀明(知床財団)
・移入種(アライグマ及びミンク)の現況調査  池田透(北大文)
4.エゾシカ・植生相互関係調査
 座長 梶 光一(東京農工大)
・海岸植生の史か菜食圧モニタリングに向けた現況調査  石川幸男(専修大道短大)他
・知床連山における菜食圧モニタリング(登山道高山帯部分における利用者の影響モニタリングを含む)  石川幸男(専修大道短大)他
・幌別地区の海岸天然林における菜食圧と回復過程モニタリング  小平真佐夫(知床財団)他
・知床岬における植生回復試験  石川幸男(専修大道短大)
・森林植生における広域菜食圧調査について(平成19年度知床における森林生態系保全・再生対策事業(広域調査)の概要)  北海道森林管理局他
・密度操作実験地菜食圧調査  梶光一他
・知床半島におけるエゾシカの生息動向調査  小平真佐夫
・エゾシカ密度操作実験  小平真佐夫
5.海域調査(海洋環境・低次生産)
 座長 齊藤誠一(北大院水産)
・オホーツク海北西部からの物質供給が知床周辺海域の生物生産にもたらす潜在的インパクト−鉄・有機物・汚染物質  中塚武(北大低温研)
・衛星リモートセンシングによる知床半島周辺海域におけるクロロフィルa濃度分布の季節・経年変動解析  齊藤誠一他
・知床半島沿岸域のサイズ別クロロフィルa濃度と基礎生産量  塩本明弘(東農大生物産業)
・知床羅臼深層水により採集された動物プランクトン群集の季節変化  山口篤(北大院水産)
・知床沿岸における海洋観測ブイによる観測  原田忠(潟Gコニクス)
6.海域調査(生物相モニタリング)
 座長 矢部衛(北大院水産)
・知床沿岸における浅海域の海藻相  阿部剛史(北大総合博)他
・知床沿岸における潮間帯の無脊椎動物相及びその季節変化  千葉晋(東農大生物産業)他
・知床沿岸における浅海域の魚類層  矢部衛(北大院水産)他
・音響手法を用いた知床半島におけるコンブ群落の分布域調査  宮下和志士(北大北方生物圏FSC)他
・知床半島周辺海域における水中ロボットカメラによる生物調査  山本潤(北大北方生物圏FSC)他
7.海域・河川調査(指標種)
 座長 桜井泰憲(北大院水産)
・知床半島両側における魚類の植物関係調査〜スケトウダラ及びマダラの食性〜  加藤寛紀(北大院水産)他
・音響テレメトリーを用いたシロザケ及びカラフトマスの移動生態  宮下和士(北大北方生物圏FSC)他
・羅臼沖における高次捕食者層の出現の季節変化  小林万理(東農大生物産業)
・知床半島ルシャ川におけるサケ属魚類の河川遡上動態および陸域生態系への物質輸送  横山雄哉(北大院水産)
・ルシャ川におけるダムの改修効果  小宮山英重(野生鮭研)
8.社会環境モニタリング
 座長 小林昭裕(専修大道短大)
・社会環境モニタリングをはじめるにあたっての枠組み  小林昭裕(専修大道短大)
・2007年度に実施された社会環境モニタリングの概要および結果  岡田秀明(知床財団)
9.総合討論
 座長 大泰司紀之(知床世界自然遺産地域科学委員会委員長)・松田裕之(横浜国大)

お問合せ・お申込みはエコ・ネットワーク(環境市民団体)まで。
〒060-0809 札幌市北区北9条西4丁目エルムビル8F
TEL:011-737-7841 FAX:011-737-9606 E-mail:eco@hokkai.or.jp


エコ・ネットワークとは?エコイズム販売物行事案内環境体験HOME